忍者ブログ
マンガ家Mの日常
ネットニュースの中で、気になった一文。
マンガ家志望者が減少している、と。

単純に、少子化なので、志望者の「人数」が減るのは当然かな。

中学生くらいでは「将来なりたい職業」の上位には入っている。
「夢の世界」への憧れは誰にでもあるのだろうけど、
プロ野球やサッカーの選手と同様、特殊な才能と不断の努力が求められ、
それでも運に見放されて挫折する人達が圧倒的多数なのが「夢の世界」。

また、デジタルイラストのツールがある程度操作出来れば、
イラストやアニメ、ゲーム方面で、マンガっぽい絵を描く仕事に出会える。

近年ではTV番組でマンガ家の仕事場を紹介したり、
ネットニュースでもマンガ家のことが取り上げられたりする。
そうすると、過酷な仕事の状況が晒され、
門を叩く前に撤退する子もいるのだろう。

ただし、少年誌は、かつてほどではないにしても、
主要な雑誌は100万部を超えていて、
デジタル版と合わせると、数字は伸びている。

少女誌・女性誌と少年誌・青年誌の状況の違いが浮き彫り。

以前にも書いた事があるが、
家計を預かる女性は財布の紐が固く、マンガ雑誌にお金を出したがらない。
サラリーマン男性は出社途中にコンビニや駅の売店に立ち寄る事が多く、
飲食物のついでに週刊誌を購入して、
通勤の地下鉄内や昼休憩の時に雑誌をザックリ読む。
女性と男性とでは、経済の循環が違う。
70年代には100万部を超えていた少女週刊誌が消えたのは、
不況下での女性の購買状況による。

そして、ネットニュースで書かれていた問題点。
少女誌ではヒット作が少ない、と。

ただし、これには疑問が湧く。
TVドラマや映画では、少女誌・女性誌の作品を原作にしたものが多くを占める。
ヒット作は多数生まれているのである。

問題は、
少年誌の作品のように、
アニメ化されてグッズ等々で大金を稼ぐ状況にない、という事。
(ほぼ唯一の例外が「セーラームーン」な訳で、ご存知の通り、戦隊もの。)
また、少女誌・女性誌では今だに恋愛ものに重点が置かれている。
なので、
アニメ化されて大金を稼げる、
あるいは、ドラマチックなファンタジー冒険ものを描きたい、
マンガ家志望の優秀で元気な女性は、少年誌を目指す。
昔は、少女誌は女性作家、少年誌は男性作家という区分けが主流だったけど、
現在、少年誌・青年誌で活躍している女性作家の割合は増えつつある。

少女誌・女性誌の部数減少は、少女誌・女性誌の抱える根本的要因に根ざす。
冒険しようとしない雑誌に、冒険しようとする作家は行かない。

(このテーマ、完了。)
PR

コメント
この記事へのコメント
コメントを投稿
URL:
   Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字

Pass:
秘密: 管理者にだけ表示
 
トラックバック
この記事のトラックバックURL

この記事へのトラックバック