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マンガ家Mの日常
編集部から送っていただいた原作を6本よんで、
とりあえずなんとか1本に絞り込んだ。

前回と今回、とにかく原作選びに難航した。
原因は色々なんだろうけど、
ひとつには今の仕事の形態にあるんじゃないかな。
担当編集者と殆ど顔を合わせる事も無く、打ち合わせも殆ど無い。
送られて来た原作を読んでメールで返事するだけ。
そうならざるを得ない仕事の事情もあるんだろうけど、
コミュニケーション不足で、互いの理解がはかれていない感じ。
それで、編集さんとこっちとの視点がズレて、
原作のマッチングが上手くいかないんじゃないだろうか。
ひたすらもどかしい。

ハーレクインはロマンス小説としてひとくくりにされているけど、
膨大な作品数があって、作家の数も膨大。
だから、作品の傾向、形態が色々ある。
まず仕事ありきなので、読者としてではなく、
マンガとしての構成を頭の中で思い廻らせながら読んでいる。
そうなると、マンガに適合させづらい場面、作品も多く出て来る。

ヒロインが何らかの悩みを抱えている場合、
過去の事件について語られるシーンが出て来る。
それは大概会話で表現されている訳で、
でも、マンガにした場合、会話が長く続くと進行が単調になってしまう。
回想シーンに置き換えたりもするのだけど、
それもなるべくコンパクトにまとめないと、現在のシーンが止まってしまう。
トラウマとか、過去の事件が中心になっている原作はマンガにしづらい。

今回読んだ原作の中に、ヒロインのデート〜ベッドシーンが
かなり長い枚数を取って書かれているものがあった。
小説の読者としては、ゴージャスなデートを空想出来る必須シーン。

でも、これもマンガにするとドラマとしてのテンポがとりづらいし、
文字で読む場合は読者自身のイマジネーションが主体だから
ヒロインを自分に置き換え易いのだけど、
マンガで、絵で表現されてあると、視覚情報はより第三者的になるので
読者がデートシーンに直接酔うのが難しくなる。
勿論それはマンガ家の力量もあるのだけど。

加えて、ベッドシーンはiPhoneの規制で殆どカットしなきゃならないので、
そこに多くの枚数が割かれて、ドラマ部分の進行が減ると
物語の組み立てが出来なくなる。
読み進めながら困っている。

あとは、ストーリーが自分の納得いくもので、感情移入できるかどうか。
ここに辿り着くのが前回今回と非常に大変だった。
数多く読み過ぎるとそれはそれで混乱してくる。
でも、やはり、数読むしか道は無い。

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