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マンガ家Mの日常
(続き)

いい年した大人相手に長々とお説教をして、果たして効果があるのか?
何とも言えないけど、
気を引き締めてもらうところから始めないとならないと思うので、
とにかく、自分の苦労話から始まって、思いの丈を並べる。
その人の努力がまだ足りないのだと言う事だけでもわかってもらわねば。

締め切り間際になって、原稿が進まない。
まず、アシスタントさんの技量不足に端を発する。
不備を指摘してやり直させても、まだ直らない。
新たなる不備を指摘して、再度やり直させるも、
結局は自分で全体を修正する。
原稿は修正跡でどんどん汚れて行く。
最初から自分で描いた方が良かったと、後悔が頭をよぎる。
ここまでで、もうかなりな時間をロスしている。
そこから更にお説教までしていたら、半日くらいは無駄になる。
締め切りを考えたらそんな事してる場合じゃないんだけど、
もう、言うべき事を言い尽くさねば、
こっちだって精神的におかしくなってしまうのだ。

...ウチに来てくれているアシスタントさんは皆人柄が良く、
本当に素直に「すみません。」と繰り返し謝罪してくれる。
その様子を見ると気の毒に思えてしまうが、
仕事は仕事なので、
どんなに心を込めて「すみません。」と言ってくれたところで、
原稿の遅れの後始末をするのは、まずマンガ家で、
その先に連なる出版社、印刷所、配本会社、書店、等々が
何らかの形で進行の修正を図る。
その中に、唯一、名前が入らないのがアシスタントさんな訳だ。
単に絵を描き損ねたと言うだけでは無く、
仕事の全体像をよく考えて欲しいと思う。

(続く。)
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