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マンガ家Mの日常
昔描いた原稿を見返して、
下手だな、と思えたなら、少しは上達していってるのかもしれないし、
上手いな、と思えたら、今までのところ上達してなくて、
どっか気が抜けて崩れてるのかもしれない危険性はあるけど、
当時も今も、それなりに頑張っていると思えれば良い。

その時々で、自分に課題を課して取り組む。

浅見光彦シリーズはキャラクターイメージが強いので、
女性ファンが抱くイメージを意識して浅見光彦のルックスを仕上げた。
上品で、多くの女性に好かれる顔。
少女マンガの魅力の一つには当然美男子の顔というのはあるんだけど、
特に顔を意識して、アップに気を払った。
髪の毛の1本1本が爽やかなイメージを醸し出すよう、滑らかな線を心掛けた。

気にし過ぎて、ややアップが多いような気がしないでもない。
ハーレクインの仕事は直でコミックスだったから、
縮小を考慮して、A4サイズの原稿用紙に描いていた。
通常の原稿はB4サイズなので、その差もあって余計大きく感じたのかもね。

横溝正史先生の金田一耕助シリーズはかつての一大ブームがあって、
一般に広く知られていたので、特に固定客を意識する必要は感じなかったけど、
浅見光彦シリーズやハーレクインは、固定客がいて、嗜好もはっきりしている。
なので、読者が求めていると思われる要素を強く意識しなければならなかった。
それは必ずしも自分の嗜好と合致するとは限らないので、
原稿を見て、自分自身が、何か違和感のようなものを感じてしまう。
ただ職人的に作業するべきなのかもしれないけど、
感情移入しながらでなければ描けないので、そうもいかない。

自分が好きな小説をマンガにする訳ではなく、
編集部からのお仕着せだと、色々面倒もある。
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