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マンガ家Mの日常
ネタバレ注意。


感想。

なかなか見応えありました。
原作小説のタイトルは「死刑囚」と、そのものズバリ。
ネットで他の方の記事を拝見すると、
原作ではジョンと刑事が恋愛関係にあるなどというのは無く、
その方の感想では、ドラマ版の設定の方が面白いかも、と。
ジョンはかつて非行少年だったという割に、純情な好青年で、
ちょっとひ弱な感じもしたのがメロドラマっぽい印象ではあったかな。

ハリウッド映画だったら、ギリギリのところで救われるんだけど...、
ろくな捜査もなされないまま、無実の青年が死刑に処されてしまうのは、
あまりにも残酷で、やっぱり後味は良くない。
とは言え、そこが原作のキモなんだよね。
人権派弁護士ハンナの必死の思いが一線を越えた...。
自らの殺害ビデオを公開するのだから、本人も死を覚悟して臨んだ事だけど。
ジョンの父親とか、恋人のマリアーナとか、心情も想像しづらい。

ハンナがジョンに罪を着せるべく、証拠品を車に仕込んだりしたわけで、
あまり注意して観ていなかったけど、
その後、ジョンの足取りが知られてしまうのも、
ハンナがわざとリークしたのかな。


日本では死刑制度が存続していて、時折、執行の報が新聞に載るのを見る。
0人の年もあれば、4、5人の年もある。
昔の冤罪事件も報道されていて、長い拘束人生の痛ましさを思う。
個人の自由な人生が奪われて、
一体何の為に生まれたのかと思う瞬間もあっただろうと推察されるが、
生き延びて、冤罪事件を告発する立場になったというのは、
日本の法制度の歴史を大きく動かした、偉業だと思いたい。


昨夜、ドラマ「FBI」を観ていたら、
反移民派のゴリゴリの保守派の政治家が命を狙われるエピソードで、
当の政治家が「強烈な言葉を使って有権者にアピールするしかない。」
と語る場面があった。
今作のフィニガンにも通じる。
どこかエンターテインメント化した選挙の恐ろしさ。


(完了。)
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