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マンガ家Mの日常
随分前に録画して、観る時間の余裕が無くて、ディスクにダビングしていた。
で、今月のフランス映画特集で再放送されたので、録画して観た。
HDの方が途中で止めて、後日続きを観るとかし易いから。

フランソワ・オゾン監督のサイコミステリー映画。
今回の特集で「私がやりました」を先に観たんだけど、
イメージとしてはこっちの方がオゾン監督っぽい。


腹部に違和感を覚えたクロエは婦人科で診療を受けるが、
医師からは精神的なものと言われ、精神分析医ポールを紹介される。
ポールの元に通ううちに親しくなり、恋人関係になり、同棲を始める。

腹痛も収まり、同棲生活は順調だったが、
ある日バスで移動中に、ポールが、いる筈のない場所で
女性と親しげに話しているところを見かける。
後日その場所を訪れると、ハイソな雰囲気の精神分析医クリニックで、
ポールと見まごう分析医ルイがいた。
クロエは2人の関係を調べる為に、患者を装ってルイの元に通うが、
強引なルイの誘惑に負けて、身体の関係を持つようになる。
温厚で誠実なポールと、傲慢で刺激的なルイとの間で心を乱される。

ルイはポールの双子の兄だった。
幼い頃から両親に可愛がられていたポールにルイは嫉妬して、
学生時代、正体を偽ってポールの恋人サンドラをレイプして奪った。
ショックを受けたサンドラは体調を崩し、以後寝たきりになってしまった。

ポールからプロポーズされ、妊娠したクロエはルイと決別しようとするが、
ルイに強引に引き止められ、ルイを銃で撃つ。

精神的に不安定になったクロエは再び腹部に激しい痛みを感じると、
腹部からクロエの共食い双子の身体の残骸が取り出される。

...と、

ここまでの展開が、実はクロエの妄想だった...と思われる。

母親から遠避けられたクロエのトラウマによる。


えっと、
終盤はもうよくわかりません。
ネットで他の方々のブログ等を見ると、
ポールとルイは双子ではなかった、云々、色々あって、
やっぱり、ほぼ全編クロエの妄想で、
どこからどこまでが妄想なのか、事実なのか、区別のつけようが無い。

展開や結末がどうとかっていう事では無く、
双子という状況を、性的な衝動と絡めて、
イマジネーションを膨らませた作品なのかな。

ポールとルイの関係性って、萩尾望都先生の「アロイス」みたいで、
共食い双子は手塚治虫先生の「ブラック・ジャック」のピノコ。
多分、共食い双子に世界で一番精通しているのは、日本人だね。
バニシングツインと言うらしい。
そうした生態についてはまだ解明されていないんだって。

主演のマリー・ヴァクトはモデル出身。
今作の甘美で冷徹なイメージを体現している。

でも、クロエって、女性には嫌われるタイプだろうな。



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