忍者ブログ
マンガ家Mの日常
2015年に列車内で発生したテロ行為に立ち向かった
実在のアメリカ人青年達の物語を、
クリント・イーストウッド監督が、本人達を起用して撮影した異色作。


サクラメント郊外の町で育ったスペンサー、アレク、アンソニーの3人は
幼馴染で、学校の問題児。
事ある毎に、シングルマザーの母親達も校長室に呼び出されていた。

スペンサーは祖父の影響で子供の頃から戦争に強い関心を示し、入隊する。
奥行視覚の障害で、希望するパラレスキューには入れなかったが、
平和に貢献したいという信念を支えに、訓練に精進する。
アレクもまた入隊していた。

アレクがベルリン在住のGFに会いに行くのに合わせて、欧州旅行を計画。
ローマ、ベネチア、ベルリン、アムステルダムと回って、
最後の目的地パリを目指して列車に乗車していたところ、
銃を所持した男性が無差別テロ行為を起こした。

スペンサーは男性めがけて突進し、自らも重傷を負いつつも、男性を制圧し、
協力してテロを防ぎ、負傷した乗客の手当をする。

3人ともう1人尽力した乗客は、
後日フランス政府からレジオン・ドヌール勲章を授与される。


元々は俳優を起用する予定だったけど、
どこかの段階でイーストウッド監督が、本人達をそのまま起用するという、
意欲的な作品作りに挑戦した。
この3人がそれなりに様になっている。頑張ったんだね。
キャラクターも外見も3人が個性的で、映画的で面白い。
他にも、乗客や救命士等、当時の人達と連絡を取り、
極力本人達を起用する形にした。
同じ列車には、なんと、ジャン=ユーグ・アングラードも乗っていたんだって。
列車の乗務員達は乗務員室に閉じこもり、何の行動も起こそうとしなかったとか。

テロ犯を直接制圧したスペンサーを主軸に描かれているけど、
イントロはアンソニーのモノローグから入る。
でも、必ずしも、アンソニーの目線からスペンサーを描いたという訳ではなく、
スペンサーの子供時代への導入という事なのかな。

子供の頃から戦争オタクで、熱心なキリスト教信者のスペンサーの姿からは、
イーストウッド監督が支持する共和党的価値観を強く感じる。
その為、青年達の勇気ある行動を描いた作品というだけでは見られない。

PR

コメント
この記事へのコメント
コメントを投稿
URL:
   Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字

Pass:
秘密: 管理者にだけ表示
 
トラックバック
この記事のトラックバックURL

この記事へのトラックバック