韓国映画はもう数が多すぎて、諦め加減で殆ど見てなかったんだけど、
歴史大作なので、気になって録画していた。
1616年、朝鮮15代王、光海君は、暗殺に備えて影武者を雇った。
瓜二つの顔の道化師ハソンが宮中に連れ出される。
そんな折、光海君は何者かに薬物を飲まされ、一命は取り留めるが意識を失う。
ハソンは光海君が意識を取り戻すまで、急遽王の代理をやらされる。
宮中のことや王の政務など何も知らないハソンは戸惑うが、
国を食い物にしている大臣達の横暴に、純粋な怒りがこみ上げ、
王の立場を駆使して改革に着手する。
突然の王の変わりように皆驚くが、
志と思いやりに触れた家臣は、王に心からの忠誠を誓う。
やがて、家臣や大臣達に、王が偽物ではないかと知られる。
卑しい身分でありながら玉座に着いたとして、ハソンもまた命を狙われるが、
民の為に王としての責務を全うしたいと願う。
地位が人を作る。
目覚めた王も、ハソンの15日間の政務を知らされ、
真の王となるべく決意を新たにする。
話の筋立ては本当にベタなんだけど、
台詞に説得力があって、思わず心を動かされる。
イ・ビョンホン、こういう映画だから、やや演技過剰ではあるけど、
台詞に深みがあってスゴく良い。
最近のおかしなスキャンダルに負けないでね。
ベタはベタなんだけど、脇のキャラクターも良い。
側近の忠臣、都承旨の知的な佇まい、
宦官チョ内官の穏やかなポーカーフェイス、
実直なト部将、
小豆粥を差し出すサウォル、
わかりきった役回りで、展開も見えちゃうんだけど、
彼らがそういう生き方を選ぶにあたっての説得力が備わってるから、
その必然の成り行きに余計泣ける。
誰にでも分かり易い作品。
名作のメッセージって、本当はこういうシンプルなものなんだと思う。
共通認識だから、恐ろしくベタではあるけど、多くの人が共感出来る。
現実はそうシンプルに行かないことは分かってるけど、
現代の為政者達にこの映画を見てもらいたいよね。