ネタバレ注意
ホロコーストをテーマにした映画、3本目。
今作はフィクションなので、ドラマの展開にミステリー的な要素が含まれている。
「スウィート・ヒアアフター」のアトム・エゴヤン監督作品。
90歳になるゼヴは老人ホームで暮らしている。
認知症が進み、妻のルースが亡くなった事も頻繁に忘れてしまう。
同じホームで暮らす友人マックスから手紙を渡される。
2人はアウシュビッツ収容所の捕虜仲間で、
身体の不自由なマックスは、ゼヴがやもめになったタイミングを待ち、
当時の収容所のブロック長ルディ・コランダーを探して殺害するよう、
詳細な段取りを手紙に書いてゼヴに持たせた。
認知症のゼヴは一眠りすると記憶が曖昧になってしまうが、
手紙を読む事で記憶を取り戻し、危なげながらも実行して行く。
コランダーの本名はオットー・ヴァリッシュ。
マックスはコランダーがクリーブランドにいる事までは突き止めたが、
同姓同名が4人いて、ゼヴは1人ずつ順番に会いに行く。
1人目、2人目はすぐに人違いと判明する。
3人目もまた人違いで、すでに亡くなっていたと、息子から知らされる。
しかし、彼らは親子で反ユダヤ主義のナチス信奉者で、
ゼヴの収容所時代の囚人番号を見た途端に敵意をむき出しにする。
犬をけしかけられて身の危険を感じたゼヴは、犬を射殺し、男も射殺してしまう。
4人目のコランダーはゼヴの顔を覚えていた。
しかし、本名はクニベルト・シュトルムだと名乗り、
ゼヴこそがオットー・ヴァリッシュ本人だと知らせる。
2人はナチスで、戦後、捕虜を装って逃げる為に、
自ら腕に囚人番号を刻んだのだった。
事実を知らされて愕然となるゼヴは、コランダーを射殺し、
直後に自らの頭を撃ち抜く。
マックスはTVで事件の報道を見つめている。
ゼヴの認知症を利用しての、周到な復讐だった。
ゼヴ役はクリストファー・プラマー、マックス役はマーティン・ランドー。
コランダー役としてブルーノ・ガンツ、ユルゲン・プロホノフといった
名優が並ぶ。
認知症で記憶が怪しいゼヴが、老体に鞭打って、
指示を一つ一つ実行して行く様子にハラハラさせられながら、
ラストの渋いドンデン返しに驚かされる。
狼を意味するゼヴという名前。
最後のコランダーの家でピアノを見て、ゼヴがふと弾きだしたのが、
ワーグナーの「トリスタンとイゾルデ」からの曲。
「収容所にいたユダヤ人なら、ワーグナーを好んで弾く筈がない。」という
コランダーの指摘で、ゼヴが自分の正体に気づく演出が心憎い。
ワーグナーはヒトラーのお気に入りだという事は知っているけれど、
楽曲まではあまり知らなかったので、
ちゃんと楽曲を知っていれば、ゼヴがピアノを弾き始めた瞬間に、
もっと強烈なインパクトを感じる事が出来ただろうに。
ホロコーストをテーマにした映画、3本目。
今作はフィクションなので、ドラマの展開にミステリー的な要素が含まれている。
「スウィート・ヒアアフター」のアトム・エゴヤン監督作品。
90歳になるゼヴは老人ホームで暮らしている。
認知症が進み、妻のルースが亡くなった事も頻繁に忘れてしまう。
同じホームで暮らす友人マックスから手紙を渡される。
2人はアウシュビッツ収容所の捕虜仲間で、
身体の不自由なマックスは、ゼヴがやもめになったタイミングを待ち、
当時の収容所のブロック長ルディ・コランダーを探して殺害するよう、
詳細な段取りを手紙に書いてゼヴに持たせた。
認知症のゼヴは一眠りすると記憶が曖昧になってしまうが、
手紙を読む事で記憶を取り戻し、危なげながらも実行して行く。
コランダーの本名はオットー・ヴァリッシュ。
マックスはコランダーがクリーブランドにいる事までは突き止めたが、
同姓同名が4人いて、ゼヴは1人ずつ順番に会いに行く。
1人目、2人目はすぐに人違いと判明する。
3人目もまた人違いで、すでに亡くなっていたと、息子から知らされる。
しかし、彼らは親子で反ユダヤ主義のナチス信奉者で、
ゼヴの収容所時代の囚人番号を見た途端に敵意をむき出しにする。
犬をけしかけられて身の危険を感じたゼヴは、犬を射殺し、男も射殺してしまう。
4人目のコランダーはゼヴの顔を覚えていた。
しかし、本名はクニベルト・シュトルムだと名乗り、
ゼヴこそがオットー・ヴァリッシュ本人だと知らせる。
2人はナチスで、戦後、捕虜を装って逃げる為に、
自ら腕に囚人番号を刻んだのだった。
事実を知らされて愕然となるゼヴは、コランダーを射殺し、
直後に自らの頭を撃ち抜く。
マックスはTVで事件の報道を見つめている。
ゼヴの認知症を利用しての、周到な復讐だった。
ゼヴ役はクリストファー・プラマー、マックス役はマーティン・ランドー。
コランダー役としてブルーノ・ガンツ、ユルゲン・プロホノフといった
名優が並ぶ。
認知症で記憶が怪しいゼヴが、老体に鞭打って、
指示を一つ一つ実行して行く様子にハラハラさせられながら、
ラストの渋いドンデン返しに驚かされる。
狼を意味するゼヴという名前。
最後のコランダーの家でピアノを見て、ゼヴがふと弾きだしたのが、
ワーグナーの「トリスタンとイゾルデ」からの曲。
「収容所にいたユダヤ人なら、ワーグナーを好んで弾く筈がない。」という
コランダーの指摘で、ゼヴが自分の正体に気づく演出が心憎い。
ワーグナーはヒトラーのお気に入りだという事は知っているけれど、
楽曲まではあまり知らなかったので、
ちゃんと楽曲を知っていれば、ゼヴがピアノを弾き始めた瞬間に、
もっと強烈なインパクトを感じる事が出来ただろうに。
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