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マンガ家Mの日常
言わずと知れた、ロシアの文豪トルストイの名作のTVドラマ版。

ピエール役で主演のポール・ダノがブサイクだ。ツライ。

原作は読んでいなくて、ハリウッド映画のも見ていない。
何となく、長ったらしくて理屈っぽそうで面倒だったから。

TVドラマになると、視聴者を意識してなのか、
ややありきたりな感の恋愛ドラマに埋没してしまっているように見える。
原作がそういうものなのかな。


19世紀初頭のモスクワでは、裕福な貴族社会が特権を享受していた。
まぁ、でも、農民達の辛い生活は描かれない、TVドラマだから。

お酒を飲んで理屈をこねながらダラダラ暮らしていたピエールは、
非嫡出子だったが、父親のベズーホフ伯爵の遺言書によって、
タナボタ的に爵位と莫大な遺産を相続する。
それまでピエールを邪魔者扱いしていた貴族達は手のひら返しで接近してくる。
何かを成し遂げたいと言いながら、相変わらず何も出来ない。
財産目当ての美女エレンと結婚するが、エレンは美男子達と浮気し放題。

勇敢な軍人アンドレイは、戦争で功を成したがっている。
激烈な戦いで命を落としかけ、一旦は軍務から退こうと思うが、
それまでテキトーにあしらっていた妻が出産で命を落とし、落胆。
年の離れた少女ナターシャから思いを寄せられ、生きる気力を取り戻すと再び従軍。

ナターシャは若さゆえアンドレイの1年間の従軍からの帰還を待ちきれず、
言い寄ってきた美男子アナトールと浮気して、駆け落ちしようとする。
戻って来たアンドレイに知られ、当然ながら婚約破棄。
でも、美人で愛想が良いから、ピエールにもずっと慕われていて、
アンドレイが再び戦闘で重傷を負って帰還し、看病の甲斐なく天に召され、
エレンが浮気で妊娠して中絶しようとして命を落とした後、
めでたくピエールと結婚。

ナターシャの兄ニコライは、父のロストフ伯爵が引き取っていたソーニャと、
子供の頃から何となく恋仲みたいな感じではあったが、
母親からは、伯爵家の窮状を救うべく金持ちの娘と結婚するようせっつかれている。

アンドレイの妹マリヤは地味な風貌で、
父親のボルコンスキー伯爵からはずっと疎まれていたが、
しっかり者で、めげること無く成長し、やがてニコライと出会って恋に落ちる。
ソーニャは何と無く察知して身を引く。

一時はモスクワを占領したナポレオンのフランス軍は、物資が底を尽き退却。
モスクワにタナボタ的に平和が戻る。


原作はもっと奥深いテーマがあるんだろうけど、
TVドラマになって概略だけ見ると、昼メロ的な恋愛ドラマ。
ロシアの文豪って、そういうのが好きみたいね。
「アンナ・カレーニナ」とか「椿姫」とか。

200年も前の時代の話だからだけど、
貴族社会の女性は恋愛にしか関心が無くて、ただ男性を待ってるばかり。
登場人物達も類型的。
ピエールはいきなり軍隊に参加して、はた迷惑なばっかりだし。
アンドレイは一度は退役を決意したものの、すぐ戻っちゃうし。
生き方に目覚めるシーンは感動ものの筈だったのにね。
エレンは都合よく死んじゃうし。
恋愛依存症的なナターシャは結構身勝手な感じだけど、
美人だから、タナボタ的に大金持ちのピエールと結婚しちゃうし。

一体、どこに感動しろと言うのだ?

ロストフ伯爵は、お人好しなのは良いけれど、お金の管理が出来なくて、
伯爵夫人は逼迫する財政に頭を悩まし続けている。
でも最後は、息子のニコライも娘のナターシャも、裕福な貴族と結婚出来て一安心。
良かったね。

人生の幸福はタナボタ待ち。
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