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マンガ家Mの日常
根暗な青年役を得意とする?若手俳優ポール・ダノの初監督作品。
原作小説は日本語未訳だそうで、タイトルで検索しても、他の作品が最初に上がる。


1960年、14歳のジョーは両親と共にモンタナに引っ越して来た。

父ジェリーはトラブルメーカーという訳ではないが、何故か定職に恵まれず、
転職を繰り返しているらしい。(そのせいで引っ越して来た?)
母ジャネットはジェリーを励まし続けていたが、
ジェリーが安い賃金で山火事の消防隊の長期の仕事に就くと言い出した事から、
愛想が尽きて、別れを考えるようになる。

ジャネットも仕事を探すが、小さな田舎町では思うように見つからない。
何とか水泳教室のコーチの仕事を見つけると、
生徒として通っていた金持ちのヤモメ中年男ミラーと親しくなるが、
好きでもない男との打算的付き合いは長くは続かない。
帰宅したジェリーは怒ってミラーの家に火をつけようとする。
ミラーとの話し合いで、逮捕は免れたが、夫婦関係は完全に破綻。
ジャネットは家を出て、オレゴンで教職に就く。

久しぶりにジャネットがモンタナを訪れ、
ジョーはバイトしている写真館で、家族写真を撮影するが、
一度壊れた家族関係はぎこちない。


実力派俳優、ジェイク・ギレンホールドとキャリー・マリガンの共演ながら、
正直言えば、あまり面白くはなかった。
大人になりきれない若い夫婦の亀裂の狭間で、少年が耐えている。
未成年なので、自分から家を出る事も出来ない。

グレても良いような家庭環境なのに、ジョーがやたらと良い子で、
学業に真面目で成績優秀で、家計を助ける為にバイトもする。
何があっても親に口答えせずにじっと耐え忍んでいる。
素敵なGFはいるけれど、家族の問題を話し合うには至らず、孤独を抱えている。
ラストの家族3人横並びの構図が、3人の関係性を象徴している。
ジェリーとジャネットは、ジョーにとって頼れる両親ではなく、
3人はそれぞれ独立した存在。

映画の空気感を見ていると、
まさに60年代頃の欧州で、少し画質の荒い白黒で撮られた映画だったら、
もっとジワリと沁みる感覚だったような気がする。
監督作品の数を重ねれば、ポール・ダノの傾向も見えてくるかも知れない。

ジョー役のエド・オクセンボールドの顔立ちがポール・ダノに似ている。
自らの分身として投影したのだろうか。
今作はポール・ダノにおける「大人は判ってくれない」になるのか?
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