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マンガ家Mの日常
第72回カンヌ国際映画祭正式出品作品。
フランス北部の街で老女が殺害される、サスペンス作品とあったけど、
サスペンスと言うより、貧困と犯罪を描いた社会派ドラマ映画。
カンヌ出品作だからかぁ。


ルーベはベルギーとの国境に近い、フランス北部の街。
様々な国からの移民が多く、貧しく、犯罪発生率も高い。
中東系移民のダウード警視は警察署長として街を見守る。
穏やかな人柄で、いずれ競走馬の馬主になるのを希望している。

街では様々な犯罪が日々休みなく発生し、警察は対応に追われる。
ダウード達は丹念に捜査して解決していく。
保険金詐欺未遂、失踪、暴行、レイプ、窃盗といった様々な犯罪がある中で、
老女が絞殺される事件が発生。
隣のアパートに住む2人の女性達による通報だったが、
取り調べによって、2人は犯行を自供する。


移民が直接の犯罪原因というような話ではない。
貧しい地域で暮らす人々の日々の営みと犯罪の関連といったくらいかな。
ダウードが人情派で良い人。警視として優秀で、捜査も的確。
被害者に対しても、加害者に対しても、対応が温かい。

老女宅から金品を盗み、絞殺した2人の女性クロードとマリーに対して、
少女時代からの人生の流れを分析。
中学では女王様だったクロードは、今や30歳の貧しいシングルマザー。
容姿にコンプレックスがあって引っ込み思案だったマリーは、
憧れのクロードとの同居を喜んでいたが、
クロードはマリーをうっとおしく思い始めていた。
老女絞殺の犯行についても、証言が食い違う。
ダウードは時間をかけて2人の心を開き、証言を正していく。

女王様だったクロードに対して、人生はうまくいくばかりではないと
ダウードは諭す。
人生の物悲しさと救いが交錯する。
「嘆きの光」っていう邦題の副題は上手いと感じた。

まぁね、でも、クロードを演じたレア・セドゥって、
「007」のボンドガールもやってて、
祖父や大叔父はそれぞれフランスを代表する映画会社の会長で、
母親の祖父は石油会社の創設者だとかいう、超セレブ。
それを知っちゃうと、映画を見る目がちょっとズレてしまう。
ヨーロッパって、まだまだ階級社会。
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