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マンガ家Mの日常
またもや録画しっぱなしで内容のわからない映画を見始める。

アルゼンチン、ブエノスアイレスで暮らす年配女性ルイーサの物語。

30年程前に(おそらく事故で)夫と幼い娘を一遍に亡くし、
以来、喪に服したかの様に、人との関わりを避けて生きて来ている。

ところが、大雨の降るある朝、事態が一変した。

質素な一人暮らしの唯一の慰めだった、ネコのティノが急死。
ネコを葬ろうと、勤め先の霊園に行くと、突然の解雇。
30年真面目に勤め上げて、引退まで残り1年というところでバッサリ。
おまけに、未払いの給料も、退職金も振り込まれない。
その日の夕方には、かけもちでバイトしていたお手伝いの仕事も切られる。
手持ちはわずかなお金しかない。

いやいや、この人、30年間毎日ずっとおなじ事の繰り返しで過ごして来て、
仕事に行くのにバスに乗るだけだったんで、
いざバスが故障となると、振替の地下鉄の乗り方もわからない。

ところがところが、無収入の危機に直面して、意を決して、
地下鉄での物乞いに一気に転換する。
わからないからこそのクソ度胸ってヤツなのかな。
仕事を解雇された後、職安に通うとか、求人広告見るとか、全然してない。
アルゼンチンが不況で仕事が無いのか、
ただ単に、そういう手立ての知識が無かったのか?
解雇と同時に銀行の口座を破棄されたもんで、お金を借りられず、
今日明日のお金が必要ってのもあったのかな。
これが本当の厳しい社会の現実なのかもしれない。

困ってる事この上無しなんだけど、
それが故に色々な人達と関わらざるを得なくなって、
付き合いが生まれて、落ち込む一方だった人生に光明が差す。
亡くなった家族やネコのティノを悼む気持ちは持ち続けても、
世界のあちら側とこちら側にいる事を受け入れられるようになる。

見る限り、次の仕事の目処は立ってないんだけど、
視線が外界に向くようになって、
新鮮な気持ちで踏み出して行けるんだろう。
アメリカの映画だったら、なんらかの仕事がみつかったあたりで
話を終わらせてくハッピーエンドにしてくれるんだろうけど、
まぁ、そう上手くはいかないね。

歳取って、一人暮らしで、お金も無く、
なんてのは、
明日は我が身で、実際、そうなりかねない女性マンガ家も大勢いる。

そういや、上野千鶴子が「おひとりさま」で提唱していたのは、
友達だったり、周囲との関係性を繋ぎましょうって事だったような...。
まぁね、それも出来そうで意外に難しい事なんだよね。
だから皆、結婚っていう契約関係にしがみつくんだ。

映画のテーマからズレちゃったな。


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