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マンガ家Mの日常
背景描きと仕上げの体力勝負の仕事に本格的に入る前に、
アシスタントさんが一旦外れたので、鋭気を養う為に
一息入れて短めの映画を見る。

知識と何らかのインスパイアが得られればと思い、
美術関連の作品については、一応チェック入れるようにしてる。
もうちょっと期待したんだけど、色々疑問の残る作品だった。
半世紀近く前の作品「泥棒貴族」のリメイクなんだそうだけど、
これを製作する意味がわかんない。
何が面白いと思って製作に踏み切ったのだろう?

英国のいけ好かない富豪からモネの絵画を騙し取る話。
よくあるコン・ストーリー。
首謀者であるキュレーターのハリーがちょっと垢抜けなくて、
計画の成功が危ぶまれるが、ラストには一応どんでん返しのオチが付く。

元の作品が60年代のものだと言う事で、
今作にも演出を含め、敢えて60年代テイストを入れたんだろう。
ハリーがあちこちで殴られたり、ホテルの外壁をつたって逃げたり、
おかしな日本人ビジネスマンの集団を出してみたり。
(英国での取引の為にわざと変ぶってるって言う設定だった。
 まんまだったらさすがに国辱ものだよね。)
まぁ、こういうチョイスが特段成功してるとも思われない。
60年代テイストが良けりゃ、元の作品見れば良いんじゃないかな。

ハリー役のコリン・ファースはまぁまぁ。
知性派のコリン・ファースがあんなにドン臭いってあり得なさそうなんだけどね。
でも、共犯の女性役のキャメロン・ディアスって、どうだったんだろう?
相変わらず長く美しい脚を披露していて、
あっけらかんとしたテキサス娘のコテコテのキャラクターを的確に演じていた。
その点では申し分無かったんだけど、
台詞では「若いお嬢さん」って事になってて、そりゃちょっと無理があるだろう。
Wikiで見てみたら、製作が二転三転して、配役も何度も変わってしまったらしい。
気がついたら、最初の予定と全く違う配役になってた、よくある話。

元の「泥棒貴族」は見てないんだけど、こちらもWikiでチェックしてみると、
設定やキャラクターにもうちょっと毒があって良いかも?

一応美術の立場の人間から言うとね、
油絵のキャンバスを木枠から外して丸めて運ぶ時は、
絵の側を外側にして丸めるのが鉄則。
絵を内側にすると、押しつぶされた顔料が剥落してしまうから。
外側であれば、筒状にされて画面が広がることで亀裂が入ったとしても
顔料の剥落は免れる。
この映画では内側にして丸めてあった。 ド素人めが!


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