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マンガ家Mの日常
ツラツラとメールの確認してたら、編集さんからメールが来てた。

差別用語の問題について、
さっき、前回このブログに書いたのを確認したら5月3日になっていて、
そこから1週間近くも経ってるから、既に話はついたものと思ってたんだけど、
編集部の方ではズルズルやってたのね。
GWでずっとお休みしてた?

上層部の話で「注釈を付けたとしても、差別用語は許されない。」となって、
以前秋田書店で変更された通りのネームで掲載したい、って事だった。

「許されない。」って...、
誰に対して言ってるの?

わざわざ古い作品を引っ張り出して掲載の申し出をして来たのは編集部の方だし、
こっちは、一度は掲載をお断りしたのよ。
いいよ、別に無理して再録してくれなくて。

差別用語の問題で掲載するかしないかを考えるのは当然だけど、
だったらもっと早い段階でしっかり考えてよ。
刷り出しも原稿もずっと前から会社の方にあったんだから、
何もこんな間際になってから話をしなくても良いでしょうに。
どうなってるのさ?

秋田書店が作った変更ネームで、編集さんは納得していたようだけど、
現在使われてる言葉だとしても、差別的な要素は明らか。
これで差別的要素を排除したかのように思っているのだとしたら、
差別の根本を何も理解しておらず、文化人である編集者として感性に欠ける。
それに、台詞の流れや作品の雰囲気、キャラクター性など考えずに
単純に機械的に言葉を変換しただけで、
情緒も創意工夫も無いから、字面が不愉快。

取り急ぎ、こちらで考えて新しく変更したネームを返信したけど、
それに対しての回答は無い。 おいおい。
もしかして、事後承諾で、既に印刷に回しちゃったとか? おいおい。

大体、こういう大事な問題で、相手の確認や承諾を必要とする事で、
メールで済ませようって、そんなんで良いわけ無いじゃん。
メールで、って事なら、こっちからの返信に即レスしてよ。
編集者のこんな仕事の仕方、それこそ「許されない。」よ。

編集さんがもっと早い段階で適切な仕事をしてたら、
ネーム変更の話はもっとスムーズだったかもしれないし、
不調だったら掲載を止めると言う選択肢もあった。
掲載を決めて、身動き出来ない状態になってからネーム変更を言い出して
責任取ったつもりになってるとしたら、順番おかしいよ。

編集者が作家の作品を作り変えて、事後承諾で済ませようとしたとしたら、
それは作家への侮辱で、作品を尊重していないと言う事。
作品に対する作家の尊厳を無視するのであれば、
編集者と作家の間の信頼関係は成り立たない。

今頃になってネームの変更云々の話が編集部から出るって事は、
この雑誌は発売から8日前の入稿でO.K.って事ね。

...こんな話、締め切り前に急かされてるマンガ家が聞いたら泣くよ。


何度でも書くけど、
差別用語に神経尖らせるのは良い、
だったら、不要な殺人や理不尽なイジメのシーンを描く事をこちらに強要しないで。
差別も殺人もレイプもイジメも無い、ほのぼのしたマンガで行こうよ。


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