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マンガ家Mの日常
タイトルに注目して、しっかり見なきゃと思って録画して、
長い事手つかずになってしまってた。

何と言うか、必ずしもミケランジェロでは無くて良かった話だし、
「暗号」って言えるような物も出て来ない。
やや肩すかし。
でも、それなりに面白かった。

第2次大戦下のウィーン、
裕福な画商カウフマン家はユダヤ系で、
ヒトラーの台頭で、財産没収の時が迫っていた。
スイスに移住する算段を立てようとしていたところで、
家族のように思っていた(と、一家は思っていた)使用人の息子ルディに
密告され、収容所送りにされる。

カウフマン家はミケランジェロがモーセを描いた素描を所有しており、
ナチスはイタリアとの同盟を優位に導く為の取引材料として
その素描を強奪しようと目論んでいた。
カウフマン家の父親は、懇意の画家に贋作を作らせ、ナチスには贋作を渡す。
しかし、イタリア人鑑定家が贋作と見破ってしまう。
ナチスは素描を手に入れようと焦る。

ところが、唯一真作の在処を知る父親は収容所で亡くなってしまった。
息子のヴィクトルは、意味不明な父親の短い遺言を聞かされたのみで、
素描の在処は分からないのだが、
今ではすっかりナチスの一員となってしまったルディに対して、
素描の在処を教える事と引き換えに、母親をスイスに脱出させようと計画する。

ナチスの将校は、ヴィクトルを尋問の為にベルリンに移送させる。
ところがその時、乗っていた飛行機が撃墜され墜落。同乗者は死亡。
足を怪我して動けないルディを反ナチスのパルチザンから救おうと、
自分の収容所の服を着せたところ、現れた追っ手はナチス側で、
ヴィクトルは機転を利かせてルディのナチスの制服を着込み、入れ替わる。
逆転した立場をつかの間利用して、母親を脱出させる事に成功するのだが、
嘘がバレて、素描の在処を徹底的に調べる為に、ウィーンの自宅へ行かされる。

自宅で、ヴィクトルは父親の遺言を思い出し、素描の在処を理解する。

そこへ、ムッソリー二政権が崩壊したとの連絡が入り、
ナチスの命運も僅かとなった事を知る。

ヴィクトルは、ナチスに寝返り、自分達一家を裏切ったルディに対して、
復讐しようと思えば出来た筈だったが、
幼馴染みの親友として過ごした時間を思い、戦後ルディが助かるよう、
ユダヤ人の我々を救ったと言う立場になるよう計らい、
また、言われるがままに財産の全てを譲り渡した。

そして、戦後、ヴィクトルはそれと気付かぬルディを尻目に、
ミケランジェロの素描を取り戻した。

ナチスとユダヤ人と言う構図はあるが、物語の雰囲気は暗くなり過ぎない。
思ったよりエンターテインメントな作りだった。
後半、ヴィクトルとルディが入れ替わってしまう状況は二転三転して、
テンポ良く、工夫があって面白かった。

自分が本物のルディだと言い張るルディに対して、
ユダヤの割礼の痕があるかどうかをナチスの医師がチェックするシーン、
ヴィクトルは内心ヒヤヒヤしてるんだけど、
なんと、ルディは包茎の手術をしていて、それが割礼の痕と見なされてしまった。
笑えた。
当時は笑い事じゃなかったんだろうけど。

他、ひねりがあるのは、父親が贋作を複数作らせていて、
第2案を準備していたところ。
でも、ミステリーとしてはちょっと物足りないかな。
あまりそう言う推理物的な作りにする気は無かったんだろう。

ヴィクトル役のモーリッツ・ブライプトロイは
甘いマスクでドイツの若手人気俳優。
「エス」で見たのが最初だったかな。
心理ホラー作品だったんで、不気味で、あんまり覚えが良く無かった。
その後もいくつかの作品で見かけたんだけど、
ドイツの名前って覚え難かったんで、ずっと名前を知らずにいた。
Wiki等のお陰でやっと知るに至ったけど、やっぱりちょっと難しくて
すぐにまた忘れちゃいそうだな。

「ミケランジェロの暗号」って言う同名タイトルの本があるんだけど、
こっちはミケランジェロの作品の解説で、映画とは無関係。
映画の配給会社の人達が、このタイトルから邦題を付けたのかな。
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