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マンガ家Mの日常
少し甘ったるい気分の映画を見る。

「ボヴァリー夫人」の現代版、というのともちょっと違うのかな。

パリの出版社の仕事に嫌気がさしたマルタンは、故郷に帰って家業のパン屋を継ぎ、
親子三人で平穏に暮らしていた。
ある日、空き家だった隣家に英国人夫婦が引っ越してくる。
若くて美しい妻の名前はジェマ・ボヴァリー。
マルタンは青年期に没頭した「ボヴァリー夫人」の物語と、
目の前のジェマを重ね合わせて見てしまう。

ジェマは夫と仲良く暮らしていたが、元彼にフラれた記憶に時折悩まされたり、
初めは楽しかった田舎暮らしに徐々に飽きが来たりしているうちに、
近所のお屋敷に住む若い青年エルヴェと不倫の情事にはまってしまう。

マルタンはジェマの行動を観察し続け、益々「ボヴァリー夫人」を投影し、
ジェマの恋路の行く末を懸念して不倫に介入してしまう。
「ボヴァリー夫人」のラストは、ヒ素による自殺だった。

マルタンが書いた偽の手紙を読んだジェマはエルヴェとの恋に絶望する。
その後、偶然元彼と再会するが、言い寄られて気まずい雰囲気の中、
口にしたパンが喉に詰まり、窒息死してしまう。
パンはマルタンからのお届け物だった。

マルタン、夫、元彼、それぞれがジェマの死に責任を感じる。

葬儀が終わって暫くの後、再び隣家に新しい入居者がやって来る。
マルタンの息子は冗談で「入居者の名前はアンナ・カレーニナだ。」と言うと、
マルタンの文学心に再び火がついて、早速入居者の女性に挨拶しに出向くのだった。


ノルマンディー地方の美しい自然を背景にした情緒豊かな恋愛劇、
と言えば言えるけれど、
マルタンはちょっとサイコでストーカーっぽい。
一方でジェマは単純で、若さを持て余している。マルタンの思いが通じる筈も無い。
また、いつもながら、年配の男性が娘程も年の離れた女性に恋愛感情を抱く展開に、
ちょっと辟易とさせられる。
妻や息子はマルタンの行動を半分呆れながら見ているだけだけど。

解説を見ると、原作はフランスの人気コミックなんだって。
いっそ、本格的なサイコスリラーに作り変えても面白かったかも?
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