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マンガ家Mの日常
気になる記事があったので、
旅行に行く空港の売店で、雑誌をめくった。

萩尾望都先生の名前があの「週刊文春」に登場とは。
見出しから、悪い内容ではないとは分かるので、特に不安はなかったけれど。


5月、週刊的に見てしまうケータイニュースで、
萩尾先生が約40年ぶりに「ポーの一族」の続編を執筆、とあった。
予告イラストも載っている。

当然、気になった。
もうずっと雑誌を購入していなかったけど、買ってみたくなった。

でも、発行予定日の月末頃は仕事で忙しかったりして、買い忘れたままになった。

何が何でも買うぞ、と、昔なら思った筈なんだけど、そうしなかった。

以前にも少し書いたかもしれないけど、私にとって
「ポーの一族」は「小鳥の巣」までで終わってる。
あの時期の萩尾先生の作品は、ひとコマひとコマ、線の1本1本に詩情があり、
有機的な人物と世界が強く胸に響いて来た。
奇跡のような時代。

その後描かれた作品は、絵柄も語り口も変化しており、別物に感じられてしまった。

萩尾先生自身、読者の要望に応える為に自己模倣的になっていたり、
マンガ全体の流行り廃りで絵柄を調整していかなければならなかったり、
様々な苦悩の結果だとは思えるけど。

それから更に40年近く経っての続編なのだから、原型を留めている筈も無い。

今、何故「ポーの一族」なのか?
おそらく、萩尾先生も年齢的に遠く無い将来の引退を意識されて、
原点回帰に踏み切られたのだろう。

ストーリーが長くなって、更に続編が描かれるとの事で、
その後にコミックスが出たら買って読んでみようか。

子供時代の大切な思い出が崩れる怖れも感じつつ。


「文春」の記事は、特に注目する内容は無かった。
萩尾先生のコメントも、雑誌からの転載らしい。

記事の中で、下世話ながら、部数について書かれた箇所が目に止まった。

掲載雑誌は通常3万5千部発行で、その月だけは5万部発行した。
それでも売り切れが相次ぎ、更に1万5千部程度増刷された。
雑誌の増刷は滅多に無い。
「ポーの一族」の根強いファンが多く眠っていた証。

とは言え、
雑誌のタイトルを変えたり、ラインナップを大きく変更したり、
かなりテコ入れされて来た筈なのに、
大手の小学館でも、この部数なのか、と少し寂しくなった。

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