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マンガ家Mの日常
長身、美男で、尚且つアカデミー賞主演男優賞3度の受賞に輝く、
天下無敵の俳優ダニエル・デイ=ルイスが、俳優引退作として主演した映画。
まだ引退という程の年齢でもないのに。
復帰を待つ。
監督は、奇才ポール・トーマス・アンダーソン。


1950年代ロンドン。
オートクチュールのデザイナーとして成功を収めているウッドコックは、
徹底した芸術家肌で、完璧主義。
ウッドコックの魅力に惹かれて近寄る女性は多いが、
完璧主義についていけずに、破局を繰り返す。
仕事に埋没する日々を支え、ウッドコックを理解出来るのは、姉のシリルのみ。

静養先の土地のレストランで、
ウエイトレスをしていた若い女性アルマと恋愛関係になり、自宅に迎え入れる。
ウッドコックにとってアルマの体系はモデルとして理想的で、
アルマはハウスのモデルとしても活躍する。

アルマの自由な振る舞いに、ウッドコックは次第に嫌悪感を示すが、
最初懸念していたシリルは快活なアルマを気にいるようになる。
ウッドコックの心には、若くして亡くなった母親の姿が刻み込まれていた。

朝起きた瞬間から仕事モードにハマるウッドコックは、
アルマの求愛にもなかなか応えようとしない。
意を決したアルマは、森で採取した毒キノコをウッドコックのお茶に入れ、
ウッドコックは急病で倒れる。
弱気になり、アルマの介護に頼ったウッドコックは、
病気が治ると、アルマにプロポーズする。

新婚ムードも束の間。
仕事モードに戻ったウッドコックは、再びアルマに冷たい態度を取るようになる。
アルマはオムレツに毒キノコを入れてウッドコックに食べさせる。
ウッドコックは事態を察知するが、敢えて受け入れる。


数々の映画賞にノミネートされながら、受賞は取り逃がすという、
微妙な立ち位置の作品。
年齢を重ねたダニエル・デイ=ルイスが、逆に異常にエロい。
ジェレミー・アイアンズ的な熟成された色香。
それにしても、身のこなし方や表情等、演技の上手さは抜群。
ウッドコックの憎たらしさが、皮膚にジワジワと寄って来る。
アンダーソン監督共々、寡作で、作り込んだ名作のみを世に送り出す。
作り手としては羨ましい限り。

アルマ、強え。何があってもへこたれない。
超モラハラ夫にDVで対抗。
やったれ、やったれ。
いや、そういうコメディじゃないんだけど。
マザコンなウッドコックには、強い姉シリルや強い妻アルマがお似合い?

マジでイイ男を捕まえようと思ったら、狩猟の技の独創性が必要ね。

芸術としてのオートクチュールへの執着や、
ベテランのお針子さん達のプロフェッショナルな仕事ぶり等、
見どころも多い。
ウッドコックのファンの女性が、彼のドレスを着て埋葬されたいと言うと、
女性が去った後、ウッドコックと仕事仲間は、そのドレスを掘り出すと言う。


結論。
ダニエル・デイ=ルイスの引退撤回を断固として要求する。



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