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マンガ家Mの日常
1954年に始まる、マクドナルドの開業とフランチャイズ化を描いた映画。
全世界に広がるチェーン店も、最初の1店から始まったんだなと、
改めて、企業経営の凄さを知らされる。


ミルクシェイク用のミキサーの販売でアメリカ各地を車で回っていたレイは、
家庭も顧みない、極めて野心家のセールスマン。
ミキサーは思う様には売れなかったが、ある時、8個まとめての注文が入る。
その店舗を訪れると、マクドナルド兄弟が経営するハンバーガー専門店で、
メニューや仕事場の動線、機材に至るまで、効率重視で作られていた。
そのシステムに感銘を受けたレイは、共同経営でフランチャイズ化を申し出る。
難色を示していたマクドナルド兄弟だったが、レイの熱意に押されて承諾。

店舗の運営を任せられる人材を探しながら、勢力的にビジネス展開を続ける。
店舗数は順調に伸びていたが、
兄弟との契約内容に縛られて、経営の効率化が進まず、資金難に陥る。
経営コンサルタントのハリーと出会い、
不動産取得の側から収入を得る方法を教えられ、経営を見直す。
その後もハリーの指導の下、強引なやり方で兄弟から経営権を買い取り、
レイはマクドナルドという商標とともに、全てを掌握して事業を拡大して行く。

穏やかな生活を望む糟糠の妻エセルには離婚を突きつけ、
店舗運営で契約関係にあったロリーの妻ジョアンと略奪婚。


主演のマイケル・キートンのギラギラしたギョロ目が、
企業展開のドギツさを象徴している。
それにしても、経営権買収にしても離婚協議にしても、
こんなに強引に自分の都合を押し付けて通してしまえるのは、
その時代の法整備がちゃんと為されていなかったからなのかな。

成功の秘訣は「執念」と言い切る。
そうかもねぇ。怖いね。

後味は微妙な作品。
見て胃もたれする感じで、マックのハンバーガーを食べたいとは思えなかったけど、
暑かった事もあって、シェイクが飲みたくなって、夜中に買いに行った。


ネットで町山智浩さんの話を読むと、色々分かり易くて面白い。
レイがレコードで聞いている自己啓発論の作者は、
あのトランプ大統領が唯一尊敬している人だとか。
で、強引な経営方針だとか搾取だとか、トランプ大統領に通じるんだとか。
だから、今この映画が作られた。

レイが「マクドナルド」という名称にこだわった理由も、
昔ながらの童謡に由来するとか。

あと、商標等の「フェアユース」にも気付かされた。
今作はマクドナルドに批判的な内容も多く含まれている為、
マクドナルドからの協力は受けていないんだって。
マクドナルドという名称もマークも映画で堂々と使われている。
これらはマクドナルド社の許可が無くても使えるんだって。
それが「フェアユース」制度で、批評や芸術制作の場合、
著作権があるものを使用しても良いんだとか。
それは基本的には全世界共通で、日本でも可能らしいけど、
日本ではやっぱり面倒を避ける方が好まれるから、皆やらないね。
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