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マンガ家Mの日常
ホアキン・フェニックス主演のサスペンス映画。


ジョーは従軍時代の悲惨な体験によるPTSDと、
子供時代に父親から受けた虐待まがいの厳しい躾の記憶に悩まされ、
退役後、FBI捜査官を辞職すると、
フリーで行方不明者探しのような仕事を請け負っていた。
少女誘拐犯に対しては、殺害も辞さない。
その殺し方も、ハンマーで殴り殺すという衝撃的なものだった。

仲介者を経て、ヴォット上院議員の娘ニーナを探す仕事を受ける。
ヴォットは選挙を控えて難しい状況にあった。

ニーナが売春宿で働かされているという情報があり、救出に向かう。
敵をいとも容易く倒し、無事ニーナを救出し、父親の元に引き渡しに行く。
しかし、ヴォット上院議員は転落自殺したとの情報が入り、
(政治活動を有利に運ぶべく、父親自らが娘に売春行為をさせていたらしい。)
ニーナは再び何者かに連れ去られる。
犯人一味はジョーの仲介人や母親まで無残に殺害される。

犯人一味のボスは、ヴォットと敵対するウィリアムズ州知事で、
ニーナの買春相手でもあった。
ジョーは再びニーナを救出に向かう。
ウィリアムズを殺害したニーナを連れ出す。

ニーナはジョーに想いを寄せるような態度。
二人はとりあえず一緒に逃亡する羽目になるが、先行きは不明。


精神を病んだ男が少女を救出するという設定は、「レオン」を想起させる。
しかしながら、今作はもう少し荒んでいて、ロマンの香りは見出し難い。
ハンマーで敵を殴り殺す様は、激しく暴力的。
ヴォット上院議員は良心の呵責もあって、
娘のニーナの救出を依頼する訳だけど、
ニーナの方は何だか男慣れしちゃってて、そう清純って感じでも無い。
ジョーの内面表現の演出が技巧的なのに対して、
ストーリー展開はやや大雑把な印象で、
手当たり次第に人が死んで行く、陰惨な作品ではある。
事件と全く関わりのないジョーの母親までが殺されるのは、
犯人側からの制裁ではあろうが、むしろ、脚本として、
ジョーが母親への依存から離れて、ニーナに意識が向く流れを作る為に見える。

ただ、何をおいても、
ホアキン・フェニックスの演技は最高評価に値する。
一部の隙も無く、ジョーという人間になりきっている。
ハリウッド超大作から地味な作品まで、
様々なタイプの映画で、幅広い役柄をこなしていて、仕事のバランスが良い。
40代半ばで、これから益々脂が乗る時期。
アメリカ映画界はホアキンを中心に回るだろう。

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