少し前に見て、ブログに記事を書きかけたのだけど、
何かしっくり来ない映画だったせいか、筆が乗らず、いったん削除した。

サスペンスの名匠ヒッチコック監督と妻のアルマによる
「サイコ」製作の裏舞台。
映画製作についてよりも、夫婦関係に焦点があてられている。

ヒッチコックと言えば、映画史に輝く名監督だが、その偉業も
妻のアルマの支えがあってこそだった。
アルマは初期からヒッチコックの映画製作のパートナーとして、
脚本や監督、編集等で力を発揮して来た。
しかし、天才ヒッチコックの陰に立たされる。

ヒッチコックの暴飲暴食、贅沢な美食、
更には主演女優に入れ込むあまりの、数々の浮気疑惑。
アルマもストレスが溜まって、爆発寸前。復讐浮気もしかける。
しかし、「サイコ」をなんとしても成功させたいヒッチコックの熱意もあって、
アルマも全面的に尽力し、
ひとつの目標があったお陰でか、夫婦関係も次第に丸く納まって行く。

ヒッチコックが「サイコ」にかける意気込み、撮影の工夫、
上映前の話題作りの作戦等、映画マニアには興味深い。
有名なシャワーのシーンは、アルマの発想による面も大きい。

映画マニアには見るべきものがある作品だったけど、
フツーに見ては、今イチな感じがあった。
ヒッチコック役のアンソニー・ホプキンスが、
映像で見られるヒッチコック本人のユーモラスな表情や声とかなり違う。
ヒッチコックのダークサイドを表現する為だったのか、
製作に当たって、アンソニー・ホプキンスと言う有名俳優の名前が必要だったのか。
別の俳優でも良かったような気がするんだけどな。

「サイコ」の主演女優ジャネット・リー役のスカーレット・ヨハンソンは
キレイではあるんだけど、顔の構造に特徴があるんで、
こういうクラシックな女優の役には違和感がある。
おそらく、当時では美人女優とはされなかった顔だろう。

アルマ役のヘレン・ミレンは力強かった。
これは彼女の映画だと言える。

最後のクレジットが流れて、ウォレス・ランガムの名前を見つけたのだけど、
何処で出ていたか全く分かってなくて、見返しちゃった。
台詞は無いし、エキストラ的に画面に写ってるだけ。
それでも必要な役だったんだね。