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マンガ家Mの日常
「怒りの葡萄」は映画で一度観ただけで、詳細を覚えていなかったので、
改めて検索してみた。

1930年代アメリカ中西部、
大規模農業による開墾で砂嵐が発生するようになり、農地が耕作不能に陥り、
農業が出来なくなった農民達が、農地も家も失う。
仕事を求めてカリフォルニアに移住しようとするが、既に移住者で過剰状態。
生きる為に日雇いの仕事を求めて旅を続ける。

こちらは経済的事情を主体にした物語。
行動の目的、目標がはっきりしている。

一方、「ノマドランド 」は、旅の出発点は似てるけど、
経済的に何かを得ようというより、
何か(財産や思い出)を手離す事で、精神的な豊かさに辿り着こうとする。
色々と、曖昧模糊。
ファーン、どうしたいの?

今作の中で、ファーンはバンの修理費が足りなくて姉に無心したり、
ノマド仲間から、窃盗被害の話を聞かされたりする。
それだけでもシリアスな問題だけど、
女性が一人旅をしていれば、レイプや殺害という事例もあるだろう。
更に高齢になれば、病気も増えて、身体も動かなくなる。
デイヴは病気になったのをきっかけのひとつとしてノマドから外れた。

アメリカの労働の仕組みを正確に知らないから何とも言えないんだけど、
こういう季節労働が出来るのって、ID(社会保障番号)が浸透してるからかな。
それでも、定住先がない場合、どうなるんだろう?
日本とは色々制度が違うんだろうな。

アメリカの季節労働って、開拓史時代から、カウボーイの仕事等々、
移動しながらの労働の伝統がある感じ。
日本でも、農家の繁忙期は人を雇うけど、
それよりも、地域での互助で済ませるような。


映画そのものは退屈な感じだったけど、
こうして様々な問題や話題を提起するのも今作の力。

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