忍者ブログ
マンガ家Mの日常
テニス界の偉大なチャンピオン、ビーナスとセリーナを生み出した、
ウィリアムズ一家の実話を描いた映画。


アフリカ系の貧困層が多く暮らす地域コンプトン。
リチャードはテニスは素人ながら、雑誌やビデオから学んで、
2人の娘ビーナスとセリーナを選手にすべく指導していた。

2人が10代に差し掛かる頃、将来を見据えて、
スポンサーやプロコーチを探す。
当時マッケンローやサンプラスらを指導していた名コーチ、コーエンに
強引に売り込みをかけ、コーチと様々なサポートを承諾させる。

カプリアティ等、早熟の選手達がバーンアウトする傾向にあるのを警戒し、
リチャードは2人に学業を優先させ、ジュニアの大会から遠ざけた。
コーエンの説得とビーナスの希望もあり、14歳でプロデビュー。
当時のランキング1位のサンチェス=ビカリオに敗れるも、善戦。
ビーナスの将来性を確信したナイキは、
スポンサー契約料を300万ドルから1,200万ドルに引き上げた。


リチャードを演じたウィル・スミスがアカデミー賞主演男優賞に輝きながら、
司会のクリス・ロックへの暴行で負の注目を浴びる等、
いわく付きの作品となった。
ウィル・スミスは嫌いではなかったんだけど、授賞式の様子には落胆させられた。
そのイメージが拭い切れない。
加えて、実際のウィリアムズ一家に対しても、
ちょっと微妙な感じを抱いているので、
どことなくモヤモヤが残る中での鑑賞となった。

で、
ウィル・スミスは今作でアカデミー賞主演男優賞を獲得した訳だけど、
どうにもオーバーアクトで1人だけ浮いているように見えてしまう。
リチャード・ウィリアムズ本人と外見が似ていない為、
少々無理して演技しているんだろうか。
適任の俳優は他にいるような気がするけれど、
興業的にウィル・スミスのようなビッグネームが求められたのだろう。

で、
映画の締めくくりが、
リチャードがビーナスの将来性を認めさせて、
スポンサー契約料の大幅アップに成功!イェイ!...って?
勿論、ビーナスとセリーナはその後歴史的な活躍をするのだけど、
そういう事の前に、大金掴んで大成功って、
それでは見てる側は感動出来るだろうか?

ウィリアムズ姉妹で言うと、
実績において、妹のセリーナが姉のビーナスを遥かに凌駕している。
存在の派手さでも、セリーナの方が圧倒している。
ビーナスはそこまで目立ちたいタイプではないらしい。
でも、映画ではビーナスに焦点が当てられている。
それは結局、ウィリアムズ姉妹の偉大な活躍ではなく、
リチャードのファミリービジネスの成功を描いた作品だからに他ならない。
邦題は「ドリームプラン」って、こぎれいな感じだけど、
原題は「King Richard」だからね...。
リチャードって、生まれてくる子供達をスポーツ選手として成功させたいって
自らの野望の元に、大きくてしっかりした腰の女性を探したってくらいで。

父親はともかく、
ビーナスやセリーナを演じた子供達は溌剌としていて可愛かった。
テニスの試合のシーンもすごく良く出来ていた。

で、
ギャングが平気で銃を撃ち合う荒んだ地域から家族で抜け出す為に、
他人から何を言われようと、信念を貫いたお父さんは、
やっぱり立派なんだなぁ。
PR

コメント
この記事へのコメント
コメントを投稿
URL:
   Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字

Pass:
秘密: 管理者にだけ表示
 
トラックバック
この記事のトラックバックURL

この記事へのトラックバック