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マンガ家Mの日常

童顔イケメン、ジェームズ・マカヴォイ主演のサスペンス映画。
可愛いんだけど、何でいっつも眉間に縦じわ寄せてるんだろう。

冒頭、美術品のオークションと窃盗について語られていたので、
意識して見てたのだけど、そっちの方向には話はあまり向いて行かなかった。

サイモンは美術品のオークション会社で働いている。
ギャンブルで作った借金を清算する為に、美術品窃盗の片棒を担ぐ。
しかし、ある事情があって、窃盗団を裏切り、絵画を自分で盗む。
犯行の途中、窃盗団のボス、フランクに頭を強打されて意識を失い、
手術を受けて快復するものの、記憶の一部を失ってしまう。
後日、窃盗団がサイモンに詰め寄るが、絵画の置き場所を思い出せない。
窃盗団は催眠療法士を雇って、記憶を呼び起こさせる事にする。
しかし、その療法士エリザベスはサイモンの元カノだった。
治療が進むに連れて、事件を裏で操っていたのはエリザベスだったと分かる。

タイトルの「トランス」っていうのが、催眠状態を意味していて、
催眠療法の過程でサイモンの記憶や幻想が描かれて物語が進行する。
それがゴチャゴチャしていて、分かりづらいと言う程でもないけど、
正直ちょっと面倒臭い。
ガイ・リッチーの作品でよくある演出だな、と思ったんだけど、
ガイ・リッチーにしては映像がスマート。
監督はダニー・ボイルでした。

美術品窃盗のサスペンスかと思っていたら、
サイモンとエリザベスのドロドロの恋愛ドラマだった。
この種明かしはちょっと唐突な感じがする。
催眠療法の技術を駆使したエリザベスの仕掛けに無理があるような気もする。
でも、これまでに見たダニー・ボイル作品の中では良い出来かな。
ただ仕掛けが複雑なせいか、語り手がサイモンからエリザベスに移行したりして、
感情移入がしづらい構成になっている。
ヒッチコックの「めまい」に近い印象かな。


アーティスト感覚で、スマートな作品を作りたいんだろうけど、
観客に話が伝わり難いんじゃ意味が無いんだから、
演出技法にばかり耽溺せずに、凝った演出は使う場所を絞って、
演出の優先順位を考え直すべきでは無いだろうか。

盗難被害にあったまま、世間に姿を見せていない絵画が紹介される。
まぁ、でも、それらの絵画と映画のテーマが噛み合ってる訳では無い。
教養があるところを見せたかったのかな。
でも、だったら、サイモンが絵画を盗む際に、
額縁の部分で画布を切り取るような、絵画を傷める行為は止めさせてくれ。
更に、画面を内側にして画布を巻くのもダメ。
画面を傷つけないようにそうしてるつもりなんだろうけど、
そうじゃなくて、布で覆うとか、筒に入れるとかして守れば良い。
映画の設定の中でそれくらいは出来る筈。



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