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マンガ家Mの日常
時間軸の構成が複雑なので、まとめて見たくて、放送を溜めてから一気見。

事件と裁判を進行させながら終幕の悲劇を挿入していく、独特の印象的な構成。
今回はその衝撃があまり響かなかったような気がする。
1、2、3の衝撃が強過ぎたからか、期待が大き過ぎたからか、
シーズン4は全体的にやや緩かったように感じる。
冷えた刃を首筋に当てられたような冴えた薄気味悪さが感じられなかった。

裁判が人生の全て、勝ちをもぎ取る為にはどこまでも冷酷になる、
裏も表も知り尽くした頼もしい実力派弁護士パティ・ヒューズ。
しかし今回はエレンのサブに回って、主導権を手放した。
腹心の部下トム・シェイズもいない。
また、養子縁組した実の孫娘の監護権の問題も抱えている。
仕事もプライベートも守勢に回って、いつもの裏工作のキレが見られない。

ドラマのマンネリを防ぐべく、1、2、3で踏襲したパターンを一旦緩めて、
ファイナルのシーズン5で一気に攻勢をかけるのかな。

シーズン4はアフガンゲリラの問題と民間の軍事会社の不正。
イスラム系テロ組織が既に映画等で多く使われ過ぎて、新鮮味が無かったかな。
事件そのものの構成も、これまでと比べるとずっと単純だったような気がする。
ちょっと物足りない。

パティとエレンの活躍よりも
CIA工作員ジェリー役のディラン・ベイカーの独り舞台だった。
長年の過酷な任務によって精神が犯され、破滅型の人格が形成されている。
地味な名脇役としてあちこちで活躍していたけど、
ここまで大役はあまり無かったのでは無かろうか。良かったね。

軍事会社社長エリクソン役はジョン・グッドマン。
敬虔なクリスチャンで、教会で演説もする。
妻を早くに亡くした為、子煩悩で4人の息子と過ごす時間を大事にしている。
一方で、自宅の素朴なリビングで家族団欒の途中でも、
必要とあれば、当然の事のように部下に殺人の命令を下す。
自らを愛国者と信じきって、軍事行動に疑問を抱きもしない。
二重人格的な矛盾を孕んだ男。
とにかく、ジョン・グッドマンの表情が豊か。
顔の演技のお手本のよう。

エレンは友人でちょっと恋心も感じるクリスの命を救う為に、
ほぼ勝利を手中にしていた訴訟の取り下げを決意する。
しかしパティは訴訟を優先させ、エレンはパティを鋭く避難する。

この点はちょっと考えさせられる。
エレンはいかにも人道的なように見えるが、本来の依頼者達に対しては裏切り行為。
不正な指示の軍事行動で命を落とした民間兵の家族の生活の保障等は
完全に見捨ててしまっている。
軍事会社の不正を見逃し、存続を認めてしまう。
それによって新たに生まれる被害者についても考えない。
これも偽善の一つの形だと言えなくは無いか。

センチメンタルなエレンを視聴者としては支持しきれない。
暴君のパティにエレンが宣戦布告するのだが、
個人的にはパティを応援したくなる。

パティとエレンにはシーズン5での決戦と活躍を期待したい。


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