忍者ブログ
マンガ家Mの日常
敏腕フィクサーがワシントンDCのセレブ達の揉め事を解決する、
そういう触れ込みで始まったドラマだったのに...。
他人の揉め事を解決するどころか、主人公オリヴィアのお陰で揉め事だらけ。

オリヴィアと大統領のフィッツは、相変わらずグダグダを繰り返し、
愛人関係を解消出来ない。
まぁ、それがドラマの要なんだろうけども。

現大統領の失脚を狙って、副大統領のアーサーが罠を仕掛けて来た。
オリヴィアを誘拐し、人質に取ってフィッツを脅し、
内戦中の西アンゴラに派兵させ、失敗の責任を取らせようと目論んでいる。

アメリカはテロには屈しない、と言うものの、
愛人オリヴィア大事で、あっさり派兵を決定。
僅か数日の内に数十名の兵士が尊い命を落とした。
当然相手国にも死者は出ているだろう。

オリヴィアを監禁している実行グループがオリヴィアの口車に乗せられて、
副大統領を裏切り、オリヴィアを闇のオークションにかけて大金を稼ごうとする。
アメリカ大統領の愛人を手中にすれば、アメリカは意のままになるとあって、
世界中の権力者が参加し、フィッツもジェイク達を使って入札しようと試みるが、
その直前で落札者が決まった。

CIA長官は、アメリカの国家機密を知るオリヴィアを敵に取られたとなっては、
抹消計画に移行するしかないのだが、
フィッツはオリヴィア奪還作戦を手放そうとはしない。
戦死した数十人の兵士の死を無駄にしない為にも、
元政府の高官であったオリヴィアを救い出すのだと宣言する。


おいおい!!!

何だか話がスリリングを通り越して、突飛になってしまった。
刺激的ではあるけれど、人として付いて行けない。
オリヴィア、これ以上犠牲者が増える前にさっさと死んでくれ。
オリヴィアとフィッツには思いっきり不幸になってもらわんと納得いかん。

製作者のションダ・ライムズはギリギリの線で冒険しているのだろう。
登場人物達が視聴者に嫌われても、関心度が高まって視聴率が取れれば勝ち。
ほら、私もドラマの続きが気になってる。


映画やドラマを見る時、
マンガにしたらどうなるだろう、と考える癖が付いてしまっている。

この辺りの展開をネームで持って行ったら、
倫理観に欠けるとして、編集者はおそらくボツを出す。
誰もが納得いく展開で、面白いものを作るよう要求してくる。

...そんな都合の良いもの、そうそうあるのか?

かなりな数の読者は眉をひそめるかもしれない。
でも、そこにこそ読者を惹きつけるヒットの鍵がある。
フィクションなのだから、冒険があっても良い。

でも、圧力団体からの抗議が怖くて、危ない橋は渡れないのよね。
誰もが納得できる、無難なものが求められる。
そして、それはあまり面白くはない。
PR

コメント
この記事へのコメント
コメントを投稿
URL:
   Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字

Pass:
秘密: 管理者にだけ表示
 
トラックバック
この記事のトラックバックURL

この記事へのトラックバック