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マンガ家Mの日常
さっき、普段しない自分の検索をついやってしまったのは、
Facebookで紹介されていた記事が、仕事関連でちょっと気になったから。

サラリーマンが手取り25万円を少ないと嘆いているけど、
その実態はどういうものか、という内容。

手取り25万円の場合、源泉徴収や年金の積立等で5万円程引かれているから
元の金額は30万円となる。
でも、会社は社員が仕事をする為に多くの経費を投じていて、
年金や保険だって半額は会社持ちなんで、
社員が手取り25万円を受け取るには、その3倍の90万円くらいは
売り上げを出してもらわないとならない。
他、会社の設備投資等、様々な経費まで考えると、
実態としては300万円の売り上げが必要になる。

会社は一人一人の社員の為にそれだけ大きな金額を稼がなければならない。
手取り25万円で文句言ってる場合じゃない、と。

そうなんだよね、
会社が経営に困ったら、まずする事は人件費の削減で、リストラ。
一見非情だけど、当然の措置。

マンガ家もアシスタントさんにお給料支払う為に、何倍も働いている。
ベテランのアシスタントさんには何度かそういった話をした事もある。

ウチは仕事場としては小さいけれど、お給料や待遇面ではかなりきちんとしてる。
精一杯、それ以上の事をしている。

最近、アメリカの時給値上げのデモを受けてか、日本でも
時給の最低賃金を1500円にするよう、労働者側が要求している、
といった報道をちらほら見た。

ウチでは一般的な時給よりも上の金額でちゃんと対応しているけれど、
もし1500円になったら...、
多分、もうアシスタントさんは雇えない。おそらく、ウチに限らず。
出版社から出る原稿料は「手取り」ではなく、経費込みなので、
今の基準の原稿料では、アシスタントさんに1500円の時給は出せない。

そうなると、逆にアシスタントさん達も仕事が取れなくなってしまうだろう。

対処法としては、成果主義で、仕事量に対して対価を支払う形式になる。
アシスタントさんは自宅で仕事してもらう形にする。
そうなると、お互いに効率が悪くなって、
結果、アシスタントさんは実質的に時給が下がる事になりかねない。
精神的にも苦しくなるだろう。

暫くお休みしている間に、状況が変化してしまったら、どうなる事か。

原稿料に関しては、出版社側の言い分も当然あるだろう。
でも、原稿制作の経費はマンガ家任せになっているので、
マンガ雑誌発行の全体の経費の見直しがなされたら数字は色々違って来るだろう。

...先の会社の計算式で行くと、
原稿料1万円で月に40枚描いたとしたら、
マンガ家の収入は月4万円で、そこから年金や保険金等を全額支払う。
数字として見ると、確かに当たってる。

ゾンビになった気分。

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