ネタバレ注意


アメリカの選挙コメディ映画。


２０１６年アメリカ大統領選、トランプショックに揺れる民主党。
選対本部長ゲイリーは農村部の票田開拓に苦心していたところ、
若手スタッフのエヴァンに小さな農村の町議会の動画を見せられた。
元海軍大佐ヘイスティングスが議会の横暴な政策に対して意見している。
素朴でありながら核心をついた演説にゲイリーは可能性を感じ、
ヘイスティングスを民主党代表の町長候補になるよう説得。
ヘイスティングスはゲイリー自身が直接選対を務める事を条件に承諾。
ゲイリーはスタッフを引き連れて選対事務所を立ち上げる。

ゲイリーとライバル関係の共和党選対本部長フェイスも乗り込んで来る。

選挙戦はメディアへの露出と共に、有権者からの寄付集めが中心。
両党共に大口の献金者を確保する。

対立候補である現職町長のスキャンダルを掴み、ゲイリーは勝利を確信するが、
そのスキャンダルはフェイクだった。
窮地に立たされながらも投票を見守ると、ほぼ無投票に近い形で現職町長が当選。
ヘイスティングスもにこやかに町長を歓迎する。

実は、ヘイスティングスの娘ダイアナが仕組んだ戦いだった。
大きな選挙戦の度に各党の本部から人が来るが、
選挙が終わると見向きもされなくなる。
ダイアナは貧しい農村を救うべく、選挙戦の寄付金を活用する事を思いついた。
寄付金、献金等は一部は選対の別部門にプール可能。
大物選対本部長ゲイリーを招き入れて、本気にさせ、大金をかき集めさせた。
ヘイスティングスは町長と結託していて、元の議会の演説動画も芝居で、
町長のスキャンダル発覚と訂正はダイアナの考えで、町長も了承済みだった。

結果、大金を手にした町は、復興の資金として有効活用に結びつけた。


映画のエンディングで説明が入るのだけど、
これは一応法律的に有効な手段との事。
成る程ねぇ。

農村部のほんわかしたムードや、所々の小さなギャグも悪く無かったし、
善人達による策略という結末も良かった。
ただ、映画全体としては、キレに欠けて、やや退屈な印象。
脚本、演出、編集、等々、もう少し洗練させられると良かった。

ゲイリー役のスティーヴ・カレルは芸達者だけど、
今作の場合、オチを考えると、
もうちょっとスノッブな感じの俳優の方がハマるのではなかったかな。

映画としてはイマイチだったけど、良品。
政治を庶民レベルから見通す姿勢は大事。