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マンガ家Mの日常
勢いのある北欧ミステリー、今回はノルウェーから。

新聞社に勤める報道記者が、金融詐欺で兄を告発。
兄は責任逃れをしようともせず、自殺してしまう。
ノルウェーは、大物の経済界人によって支配され、横領がまかり通っていた。
兄はそのグループの一員だった。
兄の事件を調べるうちに他の人物も浮上してくるが、
素性を突き止めると立て続けに自殺されてしまう。

大物横領グループは25年前、一流大学の経済学部に在籍したメンバーが作り上げ、
硬い絆で結ばれていた。
裏切り者は殺される。
子供は犠牲にしないというルールがあったが、
火事で調査ミスから幼い子供も巻き添えにしてしまった。
その事件から、兄はグループを抜けようとして目をつけられてしまっt。

誰が味方で、誰が横領グループのメンバーなのか、
錯綜する中で記者は自らも追い詰められ、恋人殺しの濡れ衣を被せられ、
警察に追われる事となる。

全6話を通しで放送してくれたので、つながりは良かったのだけど、
経済の問題云々では無く、展開がややぎこちないように思えた。
ダン・ブラウンだったら、一つ一つ問題を解決してカタルシスを感じさせてから、
見せ場を作りつつ、次の謎、次のエピソードに引き込んで行くのだけど、
今作では、段階ごとに何が分かったのか、それが見えて来なかった。
ノルウェーの作品なので、かなり地味な作りなのかもしれない。
でも、こっちはそんなに我慢強く無いんだよな。 消化不良な感じ。
アメリカでリメイクされるそうで、そっちの方が分かりやすくて良いかもしれない。

子供を犠牲にしない、という鉄則の裏返しで、
子供を犠牲にする残酷さがテーマとして取り上げられている。
黙示録のアブラハムとイサクのエピソードが、カラヴァッジョの絵と共に示される。
その一方で、聖職者である記者の父親は兄弟のうち兄の方を虐待していた。
子供への虐待がテーマの一つとしてあるのだけど、
それが必ずしも犯罪の要因となったという訳でも無く、
話の主軸がどっちつかずで、ここでもまた消化不良感が残った。

経済犯罪局のチーフが女性だったり、
新聞社の報道部のチーフを引き継ぐのが妊娠中の女性だったり、
そういうのを見ると、日本に比べて女性の社会進出が実に進んでるなと思える。
ただ、そのせいなのか、皆さん化粧っ気が乏しくて、
ドラマなのに美人が出て来ないし、女優さんの見分けがつきにくい。
もうちょっと何とかなんないかなぁ。

関心したのは、ドラマの中の家や会社のオフィスの壁に飾られている
現代アートの趣味が良い事。
好きな作品とそうでないのとがあったけど、洗練されている。
美術品を飾れるのは経済的に豊かだってのもあるんだろうけど、
富裕層が文化的にも優れているという事なのかな、バブル期の日本と違ってね。

色々、もうちょっとな感じの作品ではありましたが、
北欧ミステリーにはまだまだ期待大。
荒涼とした風景が不安な心をざわめかせ、人間の本性の厳しい真実を感じさせる。




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