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マンガ家Mの日常
寒暖差頭痛で日曜日と月曜日の午前中、長く寝てしまって、
昨夜はすぐに寝付けず、映画を見る。


先日の「シンクロ・ダンディーズ!」のフランス版。
中年男性達がシンクロナイズドスイミングで世界選手権に出場する話で、
基本は同じなんだけど、
英国版が96分という短めの尺で、ステレオタイプのコメディだったのに対して、
フランス版は122分という長さもあって、ドラマとしての掘り下げが深い。

主人公ベルトランは、リッチな会計士ではなく、鬱病で失業中。
美人コーチとメンバーの可憐な恋愛模様も無く、
コーチのデルフィーヌは、選手時代の挫折でアルコール依存症になり、
既婚男性と不倫した挙句、ストーカーになって訴えかけられる。

世界選手権では、強豪のノルウェーや日本を抑えて、堂々の優勝。
ところが、地元に帰れば、新聞の片隅にも記事は載っておらず、
一瞬の栄光でしかなかったと知る。
それでも、チームでやり遂げた誇らしさで、人生を前向きに進めるようになる。

鬱病、失業、会社倒産の危機、親子の溝、音楽の才能の有無、等々、
実際は何一つ問題は解決していないのだけど、
人生は心の有り様で変わるという事かな。


長尺ながら、画面の切り替え、編集、等々、テンポが素晴らしく、飽きさせない。
制作スタッフの技術の高さが伺える。
主演はマチュー・アマルリック。
イケメンのイメージを抑えて、今作では力の抜けた人物像を表現している。
他、映画監督としても活躍しているギョーム・カネ、
ベテランのジャン=ユーグ・アングラード、等、名優を揃えている。

80年代に映画デビューして、「ベティ・ブルー」「ニキータ」等、
印象的な美男役で名を馳せたジャン=ユーグ・アングラードだけど、
2005年の襲撃事件以来、活動があまり見られなくなっていた。
でも、年齢を重ねても、アンニュイで優しい笑顔は魅力的で、物語性を秘め、
佇まいに映画スターの存在感を発揮する。
彼がひっそりと笑顔を見せると、画面がまさしく「映画」になる。
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