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マンガ家Mの日常
ストーリーの続きから。


トーマスは親と和解できた感謝を告げに来るが、
再びニューライフの思想に深く戻ってしまい、
チャーリーの同性愛を否定しにかかる。

娘に罪滅ぼしをしたいチャーリーに、エリーは読書感想文の代筆をさせる。
「白鯨」の感想文で、チャーリーはエリーの子供時代のものを提出。
何も気付かなかったエリーは、良い点数が取れなかったと激怒するが、
チャーリーは、子供時代の素直な文章こそが最上だと語る。
憤慨して出て行こうとするエリーに、チャーリーは感想文の音読を頼む。
巨体を必死の思いで起こして歩こうとするチャーリーの姿を見て、
エリーが感想文を読み上げると、
チャーリーの巨体が浮き上がり、白い光に包まれる。


ほぼ事前の情報無しで観たので、予想と違って、感動も増した。
舞台劇の映画化は退屈になる事が多いけど、
今作は複雑な設定を上手く構成し、感情を良い流れで揺さぶった。

TVで時々放送される超肥満体の人の番組では、プアホワイトが多いようだが、
チャーリーは知的で繊細なタイプ。
ただ、やはり食欲の神経はどこか壊れていて、
ストレスを感じると、鬼気迫る顔で無茶食いに走る。
孤独で生じる精神的な飢餓感が、食の飢餓感に変換されている。

今作では、「聖書」と「白鯨」が重要なモチーフとなっていて、
どちらもアメリカの人達にとっては人生の一環のような書物だけど、
日本人からするとやや距離があって、両作を詳しく読みこなしていないと、
今作を理解しきったとは言えないかもしれない。

「白鯨を倒せば人生が変わる。」
それが、エイハブ船長の信念のようなものであり、
今作の登場人物達にとっての、それぞれの「白鯨」がいる。

彼らは「白鯨」を倒せたのだろうか。

童顔のブレンダン・フレイザーが、丸い目をクルクルさせると、
余計に傷付き易さが際立ち、物悲しくなる。
ブレンダン自身も、美男俳優としてハリウッドでスターの道を歩みながらも、
セクハラを受けて鬱状態に陥り、過食で太ってしまった。
今作で本格的な復活となる。
願わくば、体調管理して、もう少し体を絞って欲しいかな。


(完了。)
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