イメージしてたのと少し違った。
マジックよりは、銀行強盗の方が目立つ。
ネタバレ注意。
ストリート・マジシャンだった4人がチームとして集められ、
壮大なイリュージョンのショーを行う最中に銀行強盗をして見せて、
巨額の金を盗み出す。
しかしそうして得たお金は、ただ街中にばら撒いたり、天災の被災者に配ったり、
私服を肥やす様子でもないので、一般の人達の支持は得ている。
FBIが捜査に乗り出すが、後手後手に回るばかり。
実は4人が大金を強奪した銀行や保険会社は、
かつて事故で命を落としたマジシャンと関わりがあった。
マジシャンの遺子が長い年月をかけてプランを練って、復讐を始めたのだった。
映画全体がイリュージョンのショーのような感じ。
ミステリー好きにはとても興味をそそられる仕上がりになっている。
でも、映画として見た時に、若干物足りなさを感じるのは、
人間ドラマ的な要素が少ない点にある。
4人の個性的なイリュージョニスト達について、殆ど描かれていない。
イリュージョンや事件の仕掛けが大掛かりで複雑なので、
ドラマ性を盛り込む余裕が無かったんだろう。
そうなってしまった要因の一つとして、キャスティングがあるように思える。
映画としてはかなり大掛かりなものであるにも関わらず、
トップスターと言える存在がいない。
モーガン・フリーマン、マイケル・ケインといった重鎮が中心にいるが、
彼らにしても、主役というよりは脇で輝くタイプ。
主役と言えるのがジェシー・アイゼンバーグでは、華が足りない。
事件を追っかけるFBI捜査官がやたら間抜けに仕上がってるのには意味があって、
彼こそが死んだマジシャンの遺子で、復讐計画の首謀者だった。
組織内部から犯行の手助けをしていたのだった。
イリュージョニスト達がFBIの追っ手を煙に巻くところに爽快感があるのだから
捜査官が彼らを捕まえ損なうのは正しい筋運びなのだけど、
間抜けさがひどいのが変だとは思った。
でも、さすがに主犯とまでは気付かなかったな。
この捜査官を演じたのがマーク・ラファロで、彼もスターとは言えない。
そういう微妙なランクの俳優ばかりが揃ってるから、予測し難かったのかも。
観客の予測を裏切るという点では成功だけど、
やっぱりドラマ性は物足りなかったな。
全体に、もう1ランク上の俳優をキャスティング出来ていれば、
超大作に名前を連ねることが出来たかもしれないのに、惜しい。