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マンガ家Mの日常

これって「ブルー・ジャスミン」のモデルになった話じゃなかったかな。
(補記/メイドフ事件という別の事件でした。)
話と言っても、ノンフィクション。実際にあった事。

タイムシェアというリゾートマンション販売の最大手企業のオーナー夫妻を
2年間撮影したドキュメンタリー。
ドキュメンタリーを見るのは久しぶりで、退屈するかな、と思ったけど、
ぐいぐい引き込まれた。

フロリダ出身のジャッキーは優秀な女子学生で、工科大学で学び、
エンジニアとして就職したが、会社が首切りを始めた為、退職して
持ち前の美貌を生かしてモデルの仕事に就く。
順調に仕事して稼ぎつつ、とある男性と巡り会い、結婚。
しかし、夫は次第に暴力的になり、ジャッキーを虐待して逮捕される。

ジャッキーは結婚期間中に出場したミセス・フロリダ・コンテストで優勝。
その縁で今の夫、実業家で大富豪のデヴィッド・シーゲルと出会い、再婚。
シーゲルにとっては3回目の結婚。
7人の子供にも恵まれ、セレブな暮らしに浸る。
ベルサイユ宮殿を模した国内最大級の大邸宅を建設中。

撮影はこのベルサイユばりの邸宅を建てるセレブ夫婦の生活を捉える筈だった。
こんなデカイばっかりの家を建てるくらいなら、学校でも作れば良いのに...。

しかし、間も無くリーマンショックで、融資がストップし、経営困難に陥る。

まさかこんな展開になるとは、撮影スタッフもびっくりしただろうね。

シーゲル氏は会社の立て直しの為に日々書類に埋もれて働きづめ。
最初の妻の息子も同じ会社で働いているけど、特別待遇でも何でも無い。
二人とも雇用を守る事にも心を配っている。


30歳近い年の差結婚で、モデル上がりの金髪バカ女が
ヒステリックになったりとんちんかんな事をする姿をイメージしていたけど、
ジャッキーもそれなりに現実を受け止めつつ対応していて、
この夫婦、嫌な人達では無かった。
二人とも生まれは中流家庭だったから、働く事を知ってるし、
お金の苦労にはへこたれない。
インタビュー中のところどころにホロっとさせられる。
ジャッキーの極端な豊胸に、女性でも目が行きがちだけど。

子供達は私立を出て効率の学校に通っている。
ただし、ジャッキーも子供達も、贅沢癖が抜け切るという訳にはいかないあたり、
その後どうなったかはちょっと気になる。
まぁ、たまの爆買いもウォルマートなら良しとするか。
なんとか持ち直して欲しいね。
70代での激務がこたえるのか、シーゲル氏の表情が段々険しくなって、
ジャッキーに辛く当たったりするのが可哀想だった。
でも14歳の娘がママをかばって即パパを叱りに行く。

セレブのおバカな生活を描く筈が、銀行の融資の実態を知らせる映画になった。
融資を止めて、経営が出来なくなったビルを奪い取ろうとする...。
銀行って怖いね。

この後、ネットでその後を検索してみます。

(そこそこ持ち直したらしいです。事業や家はどうなったのかな?)

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