タイトル通り、シェイクスピアは別人だったと言う説に基づいて作られた映画。
日本でそんなに話題になったと言う記憶も無く、
全く事前情報無しに見たら、なかなかスゴかった。
監督がローランド・エメリッヒなのね、納得。

シェイクスピアの人物像については詳しい事は知らなくて、なんでも、
この映画の通り、オックスフォード伯エドワードが作者であるとする説は
映画用のフィクションではなく、ちゃんとあるんだね。

話の主軸はシェイクスピアの事と言うよりも、
年老いたエリザベス女王の後継者を巡る政治的陰謀。
それがシェイクスピアの正体と絡んで来るんだから、
歴史ミステリー好きには絶好の作品。
歴史的背景に関してはホントはもっと複雑なんだろうけど、
かなりシンプルにわかり易くしてあった。
それでもちょっと難しい事に替わりは無いけど。

時間軸が度々行き来する構成は、面倒臭くてあまり好きじゃない。
でもまぁ、話の説明上仕方無いかな。

映像やセット、衣装も素晴らしく作り上げられていて見応えがあった。
これ程の大作が何故ヒットしなかったのか、残念だけど、
俳優陣が実力はあっても地味だったせいかな。
観客はスターの名前に釣られて映画館に足を運ぶもの。
「売り」が必要だったけど、製作者や監督がそういう布陣を望んだんなら仕方無い。
僅かにわかるのはエリザベス女王役のヴァネッサ・レッドグレイヴと、
イントロでちょこっとだけ出て来たデレク・ジャコビ。　でも、どっちも地味。

悲劇の主人公とも言えるオックスフォード伯エドワードを演じているのが
リス・エヴァンズ。
この人、英国の映画で変わった役ばっかりやってたけど、
こんなに上品な美男子（高齢ではあるけど）も演じられるのね。見違えた。

他の俳優さん達も皆良かった。

Wikiで見ると、なんと、随分前に脚本は完成してたんだけど、
直前で「恋におちたシェイクスピア」が大ヒットしちゃったんで
暫くお蔵入りになってたんだって。　そう言う運の無い作品ってあるよね。

もっと注目されても良い作品だと思うので、皆さん見てあげて下さい。