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マンガ家Mの日常
Wikiによれば、原作はフランスの舞台劇で、
ドイツに先駆けて、フランス、イタリアそれぞれで映画化されているとか。
欧州でこの3国はそれぞれの形でナチスと深い関係性がある。
ヒトラーとナチスを産んだドイツ、
ナチスに占領されたフランス、ナチスと共闘したイタリア。
3国それぞれ、どういう脚本になったのだろうか。
ただ気楽には笑えない。

今作では、前半は名前にまつわる論戦だったが、
後半は恋愛等、男女間のいざこざが主流になった。
ちょっとお茶を濁した形?

高名な大学教授のシュテファンは反ナチスを標榜しているが、
トーマスからは、ヒトラーをポップスター化させていると嘲笑される。
この状況はよく分かる。
歴史に戦争の悲劇を学ぶ為にも、
ナチスの残虐さは語り継がれて行かなければならないけれど、
ナチスとヒトラーの物語性はある種の魅力的な素材ともなっている。
ドキュメンタリーや戦争映画では、圧倒的に多く描かれている。

ドイツ国内では「我が闘争」は発禁になっている筈だけど、
シュテファンの本棚に置いてある。
研究者なら所持が許可されるのかな。
海外での購入は可能かな。
原作がフランスだし、トーマスがシュテファンの本棚で「我が闘争」を見つけて、
名前の話を切り出すという設定だから、本がなくてはならない状況。

シュテファンの偽善は、妻エリザベトに対する上から目線でも暴かれる。
家事は全部女性がして当たり前って態度。
ドイツの男性って、もっと家事をするイメージなんだけどな。
これも原作フランスだから?

シュテファンを批判したトーマスも、返す刀で切られる。
高卒ながら不動産事業で成功し、シュテファンの3倍の収入を得ると、
スノッブな面も垣間見せる。
恋人アンナは舞台女優で、妊娠中でありながらダイエットの心配。


まぁ、何だろう、
自分達の側にも多かれ少なかれ同じような人種が取り巻いているから、
今作が共感と笑いを誘うのだろう。

彼らがここまでの暴露合戦を繰り広げて、険悪になり、
それでも暫くしたらそこそこ仲の良い元の関係性に戻れるのは羨ましい。
現実では...、
この手の喧嘩をしたら、家族でも友人でも、関係は壊れて修復不能になる。
だから皆、口を閉ざし、真実は語られない。

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