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マンガ家Mの日常
タイトルから、軽いタッチのラブコメディだと思ったんだけど、
感情のもつれみたいなものがリアルで、
女性は心が弱ってる時には見ない方が良いよ。

マッサージ師のエヴァは離婚して娘と二人暮らし。
その娘も大学入学でもうじき実家を出て行く。
寂しさも手伝って、
友人に誘われて行ったパーティで知り合ったアルバートと付き合い始める。
アルバートもバツイチで娘が一人いる。

同じ夜のパーティで詩人のマリアンヌという女性とも知り合い、
マッサージの顧客から友人へと関係が深まって行く。
マリアンヌは美しくてスタイルも良く、自宅のセンスも良い。
詩人として名を馳せていて、有名歌手のジョニ・ミッチェルとも友人。
エヴァはマリアンヌへの憧れが止まらない。

マリアンヌもまたバツイチで、しばしば元夫の愚痴をこぼす。
面白がって話半分に聞いていたが、アルバートがその元夫だと気づく。

エヴァはマリアンヌの影響から、
今まで何ともなかったアルバートの些細な事が無性に気になり始めて、
ついバカにした態度を取ってしまうようになる。
離婚の経験から、次は失敗したくないというプレッシャーもある。

エヴァがマリアンヌとアルバートが元夫婦だと知っていたのに黙っていた事が
やがて二人知られ、関係は破綻する。

アルバートとはラストシーンで一応仲直りはするが、
恋人としての関係が修復出来るとは思い難い。
「あなたが恋しいわ。」「僕も君が恋しいよ。」
二人並んでそう語り合うのは、
関係が既に過去のものとなった事を、お互いが自覚しているから。

憧れのマリアンヌの言葉に影響されて、
アルバートを見る目がじわじわと変わってくるのを抑えようがない。
恋人関係が上手くいっていたのに、余計な情報でダメになってしまう。
エヴァがアルバートを見る時の蔑んだような目つき、
エヴァに嫌悪感を抱いたアルバートの冷たくて頑なな態度、
きっと世の中の夫婦や付き合いの長い恋人同士は必ず経験している、幻滅の流れ。
何だか、怖くなるし、悲しくなる。
独り身で良かったと思ってしまった。

エヴァはいつもマッサージ用の台を担いで顧客の家に伺う。
長い階段を登らねばならない難儀な家では、重い台を運ぶのを
顧客の若い男性が手伝おうともしないのを恨めしく思っていたが、
ある日一言「手伝って。」と声を掛けたら、男性は
今まで気付いていなかった事を詫びて、慌てて手伝いに降りて来てくれた。
相手との関係を疎ましく思うのも、良好なものにするのも、
ほんの小さな思い込みからかもしれない。

アルバート役のジェームズ・ギャンドルフィーニは「ソプラノズ」で大ブレーク。
ロバート・レッドフォードの映画で敵役に指名されるなど、
これからというところだったのに、
今作の公開前に51歳の若さで心臓発作で亡くなってしまった。
トニー・ソプラノとダブる。

エヴァ役のジュリア・ルイス=ドレイファスは
シットコムの名作「となりのサインフェルド」のヒロイン役で有名。
でも「サインフェルド」って日本では受けなかったんで、印象が薄い。
「30ロック」のティナ・フェイと感じが被るな。
エヴァはノーメイクで髪もボサボサ、おばさんファッション。
物寂しい雰囲気だけど、実際のジュリアは大富豪ドレフュス財閥の娘なんだってさ。
Wiki見たら、エヴァへの同情心が一気に消え失せた。

エヴァの娘の友人役のタヴィ・ゲヴィンソンという若手女優は
ミシェル・ウィリアムズを細くしたような顔で、よく似てる。
年齢からして、さすがに親子って事は無いんだけど、
遠い親戚とかだったりしないのかなぁ?
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