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マンガ家Mの日常
フランス・ベルギー合作、不条理コメディ映画。


ショボくれた外見の中年男マルタン。
平凡で、欲は無く、職場のリサイクルセンターでは、
知的障害者の職員達にも親身に対応する優しさも持ち合わせている。

ある日、メトロの中で、いきなり見知らぬ人達から注目され、
握手やサインを求められるようになった。
理由は全く分からない。
ネットで動画が広まると、その現象は次第に拡大し、
TV番組にまで引っ張り出される始末。
現象は過激化し、もはやまともに外を歩く事すら出来ない。
マルタン自身は金銭にも名誉にも興味は無いが、
怪しい取引に利用しようとする人物まで現れ、事件に巻き込まれかける。
すると、状況はいきなり逆転し、いきなりブーイングの嵐。
偽情報が拡散し、悪人扱いされて、攻撃され、仕事も何もかも失う羽目に。
TV局のディレクターのフルールと良い関係になりかけていたが、
フルールはマルタンを見捨てて、不倫関係の上司の元に行ってしまう。

生活を立て直す為に、回顧録の執筆を勧められ、出版。
部屋で身近な人達と出版記念のホームパーティを開く。
フルールが謝罪に現れるが、追い返してしまう。
マルタンは思い返し、帰りかけたフルールを改めてパーティに招く。


世間やマスコミが流行りに乗っかって大はしゃぎして、人の人生を翻弄する、
そういう類のコメディかな、という印象。

でも、ネットでブログを見ると、そう単純な話では無いらしい。

マルタンは知的障害者を多く雇うリサイクルセンターの職員となっているけど、
実は、マルタンの目線は自閉症者の目線であるとの分析。
精神的に不安定になると腕をかきむしったり、
追い詰められて大声を上げるシーン等にヒントがある。

自分自身とは切断された事柄ばかりなのに、
自分の意思とは関係無く、周囲が関与して来て、引き摺り回される。
意思を伝えようとしても、伝わらないもどかしさ。
そうした事が、自閉症者の側から描かれた。

深く追求して見直すと、色々考えさせられるだろう。
でも、予備知識が無いと、やっぱり訳がわからない状態で終わってしまう。
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