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マンガ家Mの日常
とある日の午後、いつものように、
ヴィンテージのジャージ姿で近所のスーパーに買い出しに向かう。
その途中、小さな画廊があり、ふらりと立ち寄る。

画廊と言っても、銀座にあるような本格的な企画画廊等では無くて、
少し前まで別のお店だったのが移転して、スペースが空いてしまったので
次のテナントが決まるまでのつなぎとしてやってる様な感じ。

買い出しに行くルート上にあるので、いつもなんとなく見てはいた。
でも、窓ガラス越しに覗く程度で済ませていた。

その日はちょっと気持ちに余裕が有ったのか、無かったのか、
ちょっと新しい何かにチャレンジしなければならないと、
方向性を考えあぐねていたせいかもしれない。
それと、展示してあったイラストが可愛かったので、
フラッと入ってみる気になった。

若手の女性イラストレーターの作品で、絵本等も展示してあった。
子供の世界を描いたもので、どことなく英国の香り。

入って、ザッと絵を見渡したあたりで、画廊の方からお茶を勧められた。
画廊のオーナーなのか、作者の母親か。
断るのも変なので、椅子に座ってお茶をいただいて、
作者の方とお話をするはめになってしまった。

いや、お話させていただくのは良いのだが、
いきなり本人を目の前にしても、何を話して良いんだか。
もうひと方、年配の男性も同席。親戚なのかな?
絵の感想を少し話すと、職業を聞かれたので
正直に「マンガ家です。」と答えた。
「カラーが苦手なので、こういう風に素敵に描けたら...。」
といった話をしたら、その年配男性から
「上手くなるには、もっと沢山描いてはどうですか。」と言われた。
...その通りである。
でも、今以上に沢山描いたら、完全に身体も生活も壊れてしまうな。

ここに限らず、画廊に入ると、
オーナーの方や作者の関係者等が接待してくださる事がある。
それはありがたい事なのだけど...。
私的には、もう少しゆっくり、しげしげと絵を見させて欲しい。
鑑賞をそこそこに切り上げてお茶やワインやらをいただいていると、
何してるんだかって感じ。

お茶を飲み干したあたりでそそくさと画廊を後にする。




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