日本の男尊女卑、極まれり。
何だか息苦しい。
最高裁で、夫婦同姓規定は合憲であるとの判断が下された。
夫婦別姓の選択は認めない、という事。
「夫婦になるカップルが話し合って選べば良いじゃん。」て事なんだけど、
現実は女性の側に圧倒的にプレッシャーがかかっている。
そういう感覚に対してのデリカシーは無いのかね。
以前書いた、事実婚の夫婦の話。
妻が実家の名字を継がねばならず、夫は次男だったので妻の籍に入る事を了承した。
しかし、名字の変更は仕事上の不利益になるとして、事実婚を選択。
結婚10年を過ぎても、子供が生まれても、事実婚のままで、
結局籍を入れる事無く、夫は他界。
今回の報道を受けて彼女がコメントしていたのは、
夫は生前「夫婦別姓が認められたら入籍しよう。」と言っていた、というもの。
側で聞くと、?な感じ。
その方が夫婦別姓制度の為に何か活動していたという事も無く、
いつか、いつか社会が変わるのを漫然と待っていた?
一体、いつ変わると考えていたのか???
「年末ジャンボ1億円当たったら世界一周旅行に連れて行く。」と
どれくらいの差があるんだ?
可能性の低い約束をするのは、やる気の無い証拠。
彼女は、あくまでも仕事の都合の為、と言いたがるが、
もし彼女が実家の名字を継ぐ必要が無かったら、彼女の仕事の都合に関わらず、
彼は迷わず、自分の籍に入れて、名字の変更を彼女に求めただろう。
実際は、彼は、姓が変わるのは受け入れ難かったんだろう。
結婚を維持する為に、彼女はそれを飲み込むしかなかった。
寿命まで長らえたとして、次はお墓の問題が出て来る。
事実婚のまま入籍せず、名字を変えなかったのだから、
妻の苗字のお墓に入る事はしないだろう。
そして問題は娘の代に持ち越される。
彼女の本音と建前が激しく揺れ動いているのが見えて、また息苦しくなる。
完璧なパートナーに愛されていた、と信じ込みたいけど、
事実は彼女を裏切り続ける。
仕事上の都合と言うなら、仕事の現場で旧姓で通す事も不可能ではなかった筈。
実際、そうしている女性も多い。
名字の変更で当初不都合があっても、長く仕事を続けるうちに周囲も順応する。
日本は、名字変更にまつわる不利益や不都合を、女性の側にだけ押し付けている。
振り返ると、前の時代にあって母の籍に入った父は立派だった。
しかし父もまた本音と建前の背反故に、家庭内の不均衡、不和をもたらした。