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マンガ家Mの日常
これだけは行っておかねば、とずっと思いつつ、
仕事の切れ間が無くて、なかなか行けずにいた。
仕事は相変わらずの苦境続きで、余裕は無いけど、
もうじき会期が終了するので、アシスタントさんの帰宅を目安に
無理を押してでも行く事に。

ラファエロ展は、ラファエロの画業の全体像を表すには全く物足りないが、
「大公の聖母」を日本まで連れて来たというのは
美術館にとっては偉業とも言える。
以前イタリアに行った時、パラティーノ美術館で見た。
聖母子の完璧なフォルム、内側から放たれる静かな光に圧倒された。
再会に涙が滲んだ。
「聖ゲオルギウス」「エゼキエル」等、小品であるが、名作。
自画像と共に、これらを揃えたというのは素晴らしい。

ラファエロに関しては、
大好きな「ガラテア」はローマで見たが、
「システィーナの聖母」はまだお目にかかっていない。
死ぬまでになんとしてでもウィーンまで行って見なければ、と再認識する。

美術館を出た後、軽い昼食を摂ろうと公園を歩く。
平日だからか、出店のようなものが無く、無難にスタバに入る。
こんなところにまでスタバ...。
美術館もスタバも、年配のご婦人方で溢れかえっている。
戦後の第一次ベビーブーム、団塊の世代がシニアライフを満喫している。
...この世代向けにビジネスチャンスが転がっているのね。
上野公園限定で、おにぎりや緑茶メニューを加えてはどうだろうか。
あんみつ等も良い。
...って、そりゃ、もうスタバじゃないね。
おそらくは、ご婦人方もハイカラなスタバを楽しみたいのだろうし。

美術展のはしご。
上野から竹橋のベーコン展に向かう。
平日にも関わらず、チケット売り場に長い列が出来ている。
TV等で紹介されたせいだろうか。
ラファエロ展の人混みの後だけに、ここでも混んでたら嫌だなぁ。
会場内はなかなかの盛況ぶりだったけど、
作品がどれも大きいので、人混みの割に見易かった。
上野が年配のご夫人ばかりだったのに対して、
こっちはちょっとおしゃれげな若い人が多い。

ベーコンの作品は、多分2、3点は見た事有る筈だけど、
これだけの量がまとめて来るのはスゴイ。

ベーコンは元々は家具のデザイナーだったそうな。
絵との関連に納得。
私見だが、ベーコンの絵は、人物等の対象物を描く事で空間を表現している。
むしろ、空間の方により意識が強い。
家具も、それらを配置する事によって室内の空間を構成する。
家具デザイナーとしてのスタンスが絵に繋がっている。

ベーコンの絵は色彩の構成がハイセンスで、筆の置き方もシャープ。
美大当時、学生がベーコンを信奉していた気持ちが今更ながらよくわかる。
画学生に受ける技巧派の絵だ。

美術館の前庭に小さなイベントスペースがあって、
年配のご夫婦とベンチで同席してお話を伺った。
美術を専攻されていたそうで、さすがに詳しい。
夫婦で美術館通いして、絵の話題に花を咲かせられるなんてうらやましい。
...フィリップでは無理だろうな。
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