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マンガ家Mの日常
正月休みの読書。
「インフェルノ」を読むつもりだったんだけど、
ジェフリー・ディーヴァーが何冊か溜まってたんで、こっちを先にした。

ワインの試飲会で知り合った男女、
話を進めるうちにお互いの共通の趣味等に行き当たり、仲が深まる。
しかし、共通点と思えたものは、犯人があらかじめ調べ上げたものだった。

今回のテーマは情報化社会におけるコンピューター犯罪。
ううっ、しまった、PCの苦手な人間にはややツライ。
かなりわかり易く書かれているとは思うんだけど、
コンピューター用語がゾロゾロ出て来るんで、わかったフリして読むしか無い。
現代ミステリーはどうしたっていずれはコンピューター犯罪に行き着く。

巨大化したIT企業が国民の個人データをくまなく収拾していて、
民間企業が契約して、販促の為に特定のデータを購入したり、
政府も犯罪の対策等の為に様々なデータを活用したりしている。
そのデータの量が半端ない。
人を判別するのに16桁の数字が使われていて、
「人」を「シックスティーン」と呼んでいる。
「シックスティーンが歩いている。」とか言うふうな使い方。
これが非人間的で不気味さを醸し出してる。

犯人はデータを盗み出し、自らの欲望を満たす殺人の為に悪用する。
連続殺人の途中でリンカーン・ライムのチームが対抗する。

今作はいつもよりやや小粒な感があった。
いつもだと、目の前の犯罪が、それ自体が主たる目的では無く、
背後にもっと大きな標的が隠されていたりした。
でも、今作はそう言う感じにはならない。
替わりにライムの家族、親戚や若い頃の事等が事件に絡んで数多く語られる。
そう言うひとつの区切りとして書きたかったのかな。

鉄壁のセキュリティのIT企業からどうやってデータを持ち出すか、
そんなところに思わぬ仕掛けがあったりするのがPC音痴には小気味良い。
また、殺人犯であるハッカーが公的機関の各種データを改竄する事で
刑事が麻薬常習者にされたり、車が違反でレッカーされたりして
ライムのチームの手足がもがれる。
捜査拠点となっているライムの自宅は、電気料金滞納のデータが仕込まれて
電気を止められ、あらゆる機器が使用不能にさせられる。
これって、単純だけど効果抜群。 怖いね。

まだ読んでいないキャサリン・ダンスシリーズの「ロードサイド・クロス」も
どうやらコンピューター犯罪になってるらしくって、
これは読むのにちょっと骨かな。

この2作で書き終えて、その後はなるべくコンピューターから離れてくれると
助かるんだけどな。





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