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マンガ家Mの日常
ネタバレ注意


2019「このミステリーがすごい!」第2位
2018「週刊文春 ミステリーベスト10」第2位
2019「ハヤカワ ミステリが読みたい!」第2位

アンソニー・ホロヴィッツ「カササギ殺人事件」の後塵を拝して、
シルバーメダルコレクターとなった
ピーター・スワンソンのミステリー小説。

推理ものというよりも、スリラー的で、人間関係と構成で読ませるタイプ。
「ゴーン・ガール」に近い印象。
そう書いてしまうと、二番煎じ的に取られてしまうかもしれないかな。


妻ミランダに浮気されたテッドは、
空港のバーで会った見知らぬ女性リリーから、殺害計画を持ちかけられる。

ところが、
テッドはミランダを殺すより先に、ミランダと浮気男ブラッドに殺されてしまう。
びっくり。
リリーの正体と殺害計画がミランダにバレそうになるが、見事先手を打つ。

実は、リリーは、ミランダに個人的恨みがあった。
怒ったリリーは、がっつりミランダとブラッドを殺す。

実は、リリーは、大学時代にミランダに恋人を略奪された過去があった。
怒ったリリーは、浮気した恋人を殺す。

実は、リリーは、少女時代に母親の恋人チェットに目をつけられ、
怒ったリリーは、チェットを裏庭の井戸に落として殺した過去もあった。

実は、リリーは、サイコパス。
殺害の動機はそれなりに分かるけど、
とにかく、次々とあっさり殺して、罪悪感が無い。

ブラッドの遺体は、チェットと同じ井戸に放り込む。
うわぁ〜、この井戸、いつか遺体で溢れるなぁ。

と思っていたら、
土地開発で裏庭が掘り返される事になった。
ジ・エンド。
おそらく、リリーの犯行がバレて、逮捕されるだろうという含みで終わる。


アメリカ的なラブ・サスペンスとして楽しめる。
サイコパスに同情は出来ないけど、やっぱり、リリーを応援しちゃうよね。
ラストは、例えば「太陽がいっぱい」とかと同様で、
あ、あ〜、捕まっちゃうんだなぁ、と読者に思わせつつ終わるんだけど、
このエンディングはちょっと古さを感じた。
知能犯タイプなので、何か逃げ延びる方法は無いものかと考えてしまう。
リスベットやハンニバル・レクターは逃げられたからなぁ。


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