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マンガ家Mの日常
北京冬季五輪に一喜一憂する最中、
確定申告の期日の足音がヒタヒタと近づいて来る。
毎年面倒この上無いけど、納税義務の遂行は果たさなければならない。

遺産相続やら土地の売却やらあったので、今年は例年以上に色々難しい。
青色申告会の税理士さんにお任せしよう。
会費納入してるからね。
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国際ロマンス詐欺。

一定の収入がある日本人中高年女性がターゲット。
世代的に外国人に劣等感があり、SNSや英語に不慣れ。
男尊女卑の日本社会に苦しんできた為、甘い言葉に弱い。

騙される側にも問題はあったと言われても仕方ないが、
今回の井出先生の告白を見ると、
「詐欺」と言うより、「洗脳」の匂いが強い事に気づかされる。

詐欺犯に対して憤り、
「何としても報いを受けさせる。」と強い決意を口にするが、
足取りを途絶えさせない為にと、騙されたままのフリをして、
いざマーク(なりすまし)から電話がかかってくると、
酷くうろたえて、マークの名前を何度も呼びながら涙をこぼす。
番組を見ていて、ちょっと驚いた。
洗脳はまだ解けてはいないのではなかろうか。
同居しておられる次女の方がしっかり目を光らせるよう願うばかり。
井出先生、あなたは決して孤独ではありませんよ。


メッセージや振り込み証書等々、あらゆる記録を大量に保存されており、
できればそれらを手掛かり、証拠として、詐欺犯逮捕を目指したい。
詐欺犯の1人が実際に井出先生宅に来た事や、
マンガ家としての井出先生の情報をしっかり掴んでいた事を思うと、
詐欺犯グループは日本国内に潜んでいる可能性もある。
しかし、果たして警察がどこまで捜査するつもりがあるか。
個人で探偵等を雇うとなると、また高額な経費がかかる。
4,000万円の借金は今後働いて少しずつ返済して行くのだろうか。
長男が出した800万円は、借金の方の数字に入っているのかどっちなのか。
番組内では原稿を執筆されている様子も映され、
仕事が順調に継続されておられるならば、数年後には完済出来るかもしれない。
それまでは生活費等はどうされるのだろう。
手っ取り早く自己破産という手段もあるけれど。
番組をここで終わりにせず、取材を継続して欲しい。

洗脳が解けた時、きっと何かが見えてくる。


余談だけど、
番組中、井出先生が原稿にペン入れしておられる映像がある。
正直、今のマンガの水準からすると、既に上手いとは言い難い絵で、
デッサンの狂いも見られる。
とは言え、原稿用紙に人物のデッサンも取らず、
水色の色鉛筆でサクサクっと描いた下描きにどんどんペン入れして行くのは
流石ベテランの技。
(水色の色鉛筆を使うのは、普通の白黒印刷の場合、水色が印刷に出ないので、
 下描きを消さずに済み、消しゴムをかける時間と労力が省けるから。)

(このテーマ完了。)

マーク(なりすまし)に貢いだ総額が7,500万円まで達し、
そのうち4,000万円が借金で、井出先生もようやく詐欺だと認識し、
次女を伴って警察に被害届に行った。
しかし、警察の対応も難しいところで、
お金を渡した相手がはっきりしている分だけしか被害として認められなかった。

こうしたロマンス系の詐欺って、法律上どうなんでしょう?
結婚詐欺とかだともう少し明確な線引きがあるんだろうけど、
成人が惚れた相手にお金を渡しただけとなると...。
ホストクラブとかと似たようなもので、
詐欺に遭った女性達も、ロマンスというサービスを受けていたと言えなくもない。
実際、井出先生は(仮想の)恋愛に浸り切っていた。

70歳を超えて、それなりに顔にシワも出来、お腹周りにお肉も付いた。
でも、マーク(なりすまし)と恋に落ちて嘆いている自分は、
30代くらいのほっそりした女性の姿で描かれている。
マークと自分が抱擁している絵となると、両方とも似ても似つかぬ美男美女。
これらの自作の絵を見せられると、やっぱり結構引く。
ちょっとイっちゃってると誰しも思うだろう。

マンションの窓から外を眺めて、「孤独だ。」と呟く。
DV夫と離婚して、女手一つで3人の子供を抱えてがむしゃらに働いて来た。
マンガ家として成功と言えるポジションを維持出来たが、
こもりきりで、ハードで孤独な作業。
(マンションの仕事場風景を見ると、ほぼ1人で描いておられるのだろうか。)
少し自分にも幸福が舞い降りて良いのではなかろうか。

マンガの仕事をご存知ない方から見ると、
ドロドロした恋愛マンガばかり描いて、
マンガ家本人もその世界を信じ込んでいると思われるかもしれない。
しかし、以前にも何度か書いた事だけど、
ネームを切って編集者と打ち合わせをして、ひたすら原稿に落とし込む、
そうした作業は客観的に行われるものなので、
マンガ家が自分の作品と自分を同化しているわけではない。

今回の番組では、井出先生お一人でご自身の体験を語っておられるので、
マンガ家の仕事の部分がフィーチャーされるのもやむを得なかったが、
他の仕事で、ある程度の大金を動かせる女性であれば、
同じ被害に遭いかねないだろう。

ま、でも、やっぱり、
井出先生、脇が甘過ぎ。

(続く。)


詐欺犯は見せ金を用意していた。

マーク(なりすまし)は井出先生に
日本円で20億円相当の現金(ドル札)をプレゼントすると言う。
アフリカ系男性が大量の現金の束を保持している写真が送信されて来た。
その現金を運ぶのに、旅費等の費用と、税関職員に渡すマージンが必要だと言う。
当然、井出先生は振り込んだ。

後日、井出先生宅に外人男性が小型のキャリーバッグを持って現れた。
キャリーバッグの中には真っ黒な紙の束が詰まっていた。
男性がおもむろに1枚取り出し、溶剤に浸すと、
表面の黒い覆いが溶けて流れ、100ドル札が姿を表した。
そして男性は、全てのお札を処理する為にもっと溶剤が必要で、
その購入代金30万円程を請求。
当然、井出先生は支払った。

男性はキャリーバッグを持ち帰り、
処理後に井出先生の口座に振り込まれる筈だったが、
当然、一向に振り込まれず。

同居している次女がその黒い紙を1枚だけ抜き取っていた。
番組で検証したところ、
黒いコーティング方法は小・中学生レベルでも実験可能なトリックで、
当然、次女の方が持っていた黒い紙はただの黒い紙で、
溶剤に浸しても決して100ドル札が現れる事はなかった。

小・中学生レベルの実験と言われても、そんなのは私も知らなかった。
札束に見せかけて、表面の1枚だけ本物ってのは常套手段だから、
それはチェックすると思うけど。

しかし、もう全く矛盾している。
マーク(なりすまし)は、散々お金が無いと言っておきながら、
20億円分の現金を持っていた(男性に預けていた)という設定なわけで、
このお金を自分で使えば良いでしょって。
それに、いくら黒くコーティングしたところで、
20億円分の現金を一般客が飛行機でおいそれと持ち運べるものでは無い。
税関職員に賄賂渡してたら、完全な犯罪。
そして、井出先生も、男性が持参したキャリーバッグが、
20億円分のドル札が入る大きさではないと気付いていた。

でも、騙されたままになってしまった。

そして、流石にこの辺りで詐欺を真剣に疑い出す。

時すでに遅しではあるけども。

(続く。)

英語が苦手ながらも、Google翻訳でメッセージによる会話が継続した。

マーク(なりすまし)からのメッセージは次第に熱を帯びる。
番組ではごく一部が紹介されただけだけど、

何と、「君なしでは生きられない。」って。

そして、「離婚協議中。」と。

そして、「妻は君だ。」と。

メッセージだけで、どうしてそこまで盛り上がれるんだろう。


そこで遂に、マーク(なりすまし)からお金の請求がスタート。

「離婚協議中で資産が凍結されていて、お金が使えない。」と。

で、仕事の行き来での飛行機代や、怪我の治療費等、
数万円、数十万円単位から、ボチボチねだってくる。
レディコミで稼いでいた井出先生は、それくらいならとつい気軽に応じてしまう。


いや、お金を請求してきたら、もう詐欺確定だから。


資産凍結とか、もっともらしい事を並べても、
大体が(本物は)ハリウッドのトップスターなんだから、
万が一離婚ともなれば、有能な弁護団を雇って、ガッチリ財産は守る。
お金を全く使えないなんて、あり得ない。


「仕事で日本に行く。やっと君に会える。」
そう言って再三再四、旅費や何らかの手続き費用をねだるけど、
永遠に会いに来る筈も無い。
井出先生が疑念を抱くと、
「君が疑うなら、もうおしまいだ。」と脅しをかけて来る。
メッセージのやり取りにかけた時間と感情、そしてお金。
もう引き下がれなくなってしまった。
この恋は本物だと信じるしかない、賭けるしかない。

この詐欺犯の緻密で賢いところは、
知り合ってすぐにお金をせびるのではなく、
メッセージのやり取りに十分時間をかけ、頃合いを見計らって勝負に出た事。
恋愛の深みという名のマインドコントロールに陥れられた井出先生は、
要求されるがままお金を振り込み続ける。


総額7,500万円。


貯金は底をつき、持っていたブランド品等、売れる物は全て売り、
息子に800万円出してもらい、
それでも足らずに借金して、マーク(なりすまし)に貢ぎ続けた。
借金は4,000万円まで膨らみ、日々の生活費にも困るようになった。
「明日食べる物を買うお金も無い。」とメッセージすると、
「僕だってお金が無いんだ。妻である君が何とかしてくれ。」
「日本に行くにはお金がかかる。」と、地獄の催促が延々続く。

(続く。)