プロになると、原稿料と仕事のペースとの兼ね合いがシビアになって来て、
だいたいこれくらいのペースで描いていかないとペイできない、
とかいうのが　とにかく露骨に数字として出て来る。
編集さんも、仕事依頼の都合から、１本３０枚とか仕上げるのに
何日くらいかかるかを聞いて来たりする。

私的にはそんなに遅い訳ではないのだけど、
それでも、原稿料で生活費を賄うに当たっては　相当厳しい。
そこそこの年月プロとして描き続けて、
次第に手が早くなっていくだろうと期待してたんだけど、
なかなか思ったようにはいかない。
いくらか手際が良くなった分、クオリティのアップも求めちゃうからだろう。

自分で１日の進行のペースとかがあって、なんとか崩さないようにはしている。
でも、ホントにもうちょっと早くならんかなぁと、常々思う。
早く描けるようになる為の試みをしてみた時期もあったけど、
結果は付いて来なかった。

以前、里中満智子先生がTVでマンガの描き方講座みたいのをやっておられて、
その時の話によれば、里中先生はプロデビューする前から、
プロになったら早く描けないといけない、と、早描きの練習をしてたんだって。
具体的にどうやってたかは謎なんだけど、里中先生曰く、
下描きはおおまかに描いて、ペン入れできっちり絵にするんだって。
（正確な言い方は忘れちゃった、何せ随分前の話だから。）

とりあえずやってみた。
無理だった。

下描きできっちり線を捉えてないと、とてもじゃないが
ペン入れで　いきなりまともな絵は仕上がらない。
だいたい、下手が下描きで手抜いてどうするんだ。
里中満智子大先生の講義でも、これは、プロ目指してる人には勧められない。
下描きはきっちり描きましょう。
ちゃんとした絵ができるまで　諦めずに描き直しを繰り返して
まんまペン入れすれば良いというところまで描き込みましょう。

日々、精進しています。
いつかはもっと早く描けるようになると信じて...。
（いつか、って、その時期はもう来ちゃってるんだけどな。）