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マンガ家Mの日常
竹宮惠子先生デビュー50周年記念の原画展示会開催。
川崎市民ミュージアムまで、地下鉄とバスを乗り継いで行って来ました。

久しぶりのバスはやっぱりちょっと苦手。
狭い道を引っかかりもっかかり進むので、危うくバス酔いしそうに。

カラーを主体に、およそ150点の展示はなかなかのボリューム。
ただし、白黒原稿は原画だけど、
カラーは何となくテラテラしてるなぁと思ったら、
原画ダッシュという手法で製作された複製だそうで、
川崎まで足を運んだ甲斐が半減。残念。
だから入場料がそんなに高くなくて、入場者も僅かだったのか。
退色を懸念して開発された手法だそうで、意図は理解するけれど、
展示会で複製を見せられても仕方ない。
それなりに精密ではあったから、複製と気にしなければ十分な迫力。

夢中になって読んだ当時の切ない思い出が蘇る。

「空がすき」の開始当初はまだどんくささが残る絵柄だったけれど、
あっという間にチャーミングになって、
生命感溢れるキャラクターが、ロマンの波と光の中を駆け抜けていた。

一番思い入れがあるらしい「風と木の詩」を中心に、
いくつかの代表作を系統立てて展示してあったので、
それぞれの作品世界に浸れた。

同世代の萩尾望都先生がまだ現役で描かれているのに対して、
竹宮先生はやや早くに実質的に引退し、教職に移行。
時代の中で輝いた天才は、時代の移り変わりの中で苦悩せざるを得ない。
石ノ森章太郎先生然り、神様手塚治虫先生然り。

今時の若い子達の目には、竹宮先生の作品はどう映るのだろう。

ダイナミックかつ繊細な表現。
想像が広がるスケールの大きい設定と展開。
天才の煌めきが原稿用紙の上で踊っている。

昨今の世代のマンガの表現とは異なる印象がある。
マンガがマンガらしかった時代、
そこには、読者の想像力を喚起しつつ構成されたものがある。

またの機会にもう少しお伝えしたい。

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