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マンガ家Mの日常
タイトルは思い出せない。
ごく短めの短編だった。

あすなひろし先生の、大人の恋愛ドラマ。

大人の男女の出会い。
女性の誕生日に、男性がプレゼントをする。
男性は「無骨で女性の好みもわからないから、好きな物を買って欲しい。」と、
桐の箱に収められた商品券を送る。
女性は開封せずに、箱のまま取って置いている。

結末もよく覚えていない。
男性が亡くなって、女性が思い出を語っていたのだろうか。

あすなひろし先生の絵と語り口が、大人の恋愛をしめやかに見せる。
感情を抑える事で、一見地味な恋愛であるかのように見えるが、
互いへの敬意に、愛情の深さを感じさせられる。
ただ、お金や商品券を渡すのではない。
桐の箱に、男性の隠された知性と品格が表れており、
女性もそれを感じ取って、敬意を払っているからこそ、桐の箱を大事に取っている。


ネットでもボロボロ上がって来る、昨今の恋愛マンガ。
目にするのは断片的ではあるけれど、
登場人物の自我が強くて、やたらと感情を昂らせる。
恋愛に限らず、対人関係が殺伐として、自己承認欲求だけが渦巻いている。
読者にとってある種のストレス解消になっているのかもしれないけれど、
心理的に良い影響に繋がるとは思えない。
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