忍者ブログ
マンガ家Mの日常
契約書あれこれ。
以前から気になっていて、その都度修正をお願いしていた部分は、
毎回新しい契約書になる度に、元の形式になって戻ってくる。
おそらく、他の大勢のマンガ家さん達はそのままで通しちゃってるんだろう。
全員が足並みを揃えなければ何も変わっていかない。


それとはまた別の問題。
こちらも相変わらずなんだけど。

原作ものの印税。
基本の印税10%の半分、5%が原作者の方へ回される。
もっとキツイ条件が提示される事もある。
これではマンガ家は生きていけない。


原作は原作で、尊重されて当然です。

ただし、ここはマンガ出版の世界。

少年誌や青年誌のように、マンガ原作の制度が確立されていて、
マンガの為にオリジナルの原作が作成される場合であれば、
印税が半々になるのは当然だと思う。

しかしながら、小女誌、女性誌の場合は、小説を原作とする事が多い。
マンガの為に書かれた作品ではないから、
ネームに起こす段階で大幅な変更が必要とされ、マンガ家の労力も膨らむ。
マンガ原稿を描く本来の労力自体も大きい。

マンガの場合、雑誌掲載からコミックス化、或いは総集編で再録、二次再録、
更には廉価本等の出版形式があって、
再録の回数が増えるに従って、再録料は元の原稿料の10分の1以下まで下る。

ならば原作小説にも、その形式が当てはめられてしかるべきではなかろうか。
人気作であれば、雑誌掲載からハードカバー、新書版、文庫等で出版され、
映画やTVドラマとして放送されている。リメイクもある。
既にネタとしての新鮮味は乏しい。
繰り返しネタバレしている小説をマンガにしても、大きな反響は望めないのが現実。
その作品が好きな読者は、小説で既に読んでおり、
マンガで読むのは、マンガ好きの読者にほぼ限られる。

この状況を考えれば、原作は原案として、1%程度の印税が妥当だと言える。

小説が映画化された場合の興行収入の配分等を参考にするのも一つかもしれない。

勿論、作家さんが印税率に反発して、原作の提供を断るケースも出て来るだろう。
それならそれで全く構わないと思う。
マンガ家が従来通りオリジナル作品を描けば良い。それが仕事。


小説で描かれたヴィジュアルが頭の中に浮かんで、是非マンガで描いてみたい、
マンガで読めたら良いな、と思える小説も沢山あるし、
難解な長編小説の場合、
年少の読者向けにマンガで分かり易く読んでもらえる利点もある。
小説をマンガ化するケースはあって良い。

ただし、マンガの出版社が企画として安易に小説に頼ろうとする姿勢は
そろそろ改められるべきと思う。
PR

コメント
この記事へのコメント
コメントを投稿
URL:
   Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字

Pass:
秘密: 管理者にだけ表示
 
トラックバック
この記事のトラックバックURL

この記事へのトラックバック