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マンガ家Mの日常
読者の皆さんとの繋がりを持つ為のブログですが、
日々の仕事の進捗状況や内容を明かせないこともあって、
全体の中で「仕事情報」の割合が思ったほど伸びていない。
それでもなんとか300回です。

数字に関する話を少し。

先週の新聞の週末版を見ていたところ、出版社についての話が載っていました。
15年前との比較で、出版社は2割に相当する900社が潰れたんだって。
てことは、当時で4500社、今で3600社くらいある訳ね。
まぁ、一般の企業はきっともっと、出来たり潰れたりしてるんだろうから、
これくらいの数字では驚くことも無いでしょう。

本って、沢山作って、一時に売って、返本はさっさと処分して絶版にする、
記事によれば、そういうやり方が儲かるそうです。
昨年は7万5千点の新刊が出て、それは20年前の2倍なんだとか。
そんなに読み切れないよねぇ。
マンガ雑誌では、発行部数の他に実売が何割かっていう事はよく聞かされてた。
実売はだいたい6割程度。記事に出ていた数字と同じ。

雑誌はリアルタイムのものだし、そんなに良い紙使ってないから
どうせ保存にむかないんで、処分されるのも仕方無い。
コミックスの方は暫くは保管するだろうけど、
出版社は在庫を抱えたく無いから、ボチボチのところで裁断処分される。
...その事をマンガ家の目の前でエラそうに話してた編集者もかつていたなぁ。
心血注いで作品を作る人間の気持ちが全く理解出来ていない。編集者失格。

出版不況と言われながらも、マンガは大手出版社の主力商品。
どんなに売れてない雑誌、コミックスでも、万単位で動く。

以前、大学教授の知人と話しをさせてもらった時に、
専門書や、ノーベル賞作家の小説が売れない、という話があった。
そりゃあそうに決まってる。
専門書や難解な小説は対象となる読者の数が少ないから。
多くてもせいぜい2000部刷って、大半は専門の研究者と
大学や公立図書館が買い上げてるんじゃないのかな。
印刷にこぎ着けただけで良しとしなくちゃ。
ある意味、大名商売だよな。

本の値段の違いはあるにしても、、
発行部数2000なんて、マンガでは出してもらえない、切られてる。
まず、企画に上りようが無い。

出版社によっては、雑誌や文庫、マンガで上がった収益を
そういう本の出版の為に充ててたりする。
立派な専門書はマンガあってのものだったりするんだよ。
そこの大学教授、マンガ家に敬礼!(なんてな。)

専門書とかの本の価値は勿論認めている。
人類にとって重要な文化や知識がそこに詰まっている(ものもある)。
いいけど、でも、もしもっと世の中の人達に読んでもらいたいんなら、
自分達から読者に歩み寄る事もたまには必要なんじゃあない?
おエラい先生方はそれをしようとしない。
プライドが許さないんだか、頭が働いてないんだか。
困ったもんだね。


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