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マンガ家Mの日常
先日取材させていただいたお仕事、
アシスタント事情がマンガの仕事にちょっと似ていたので、
つい「わかるぅ〜。」を連発。

その方のお仕事でも、専属のアシスタントを持つ方は少なくて、
その仕事専門のアシスタント派遣業があって、
仕事に合わせて、そこでお願いするケースが多いとか。
それで、派遣業の会社の方が潤ってるんだって。

マンガの場合、JACとか、有志の方が無償でマッチングサイトを運営しておられて
そこでマンガ家はアシスタントを探し、アシスタントは仕事先を探したりしている。
ただ、前述の派遣業と決定的に違うのは、無償運営なだけに、
アシスタントの技量等については全く補償の限りでは無い。
トラブルも多いらしい。
過去に編集さんを通して
2、3回JACからアシスタントの方に来ていただいた事があったけど、
まず技量が追いつかないケースが殆ど。
トーンをまっすぐ貼るとこまでで良しとするレベル。
締め切り間際の臨時だから仕方無かった。

ほぼレギュラー的に来てくれてるアシスタントさん達は
他のマンガ家さんやアシスタントさんからの紹介なので、
技量も人柄も、最初から補償されていたようなもので、安心出来て良かった。


先のハーレクインの仕事の時、終盤、体力的にキツくなって来たので、
編集さんにアシスタントさんを紹介してもらうようお願いした。
一応ね、そう言うお手伝いはしていただけるという前提はあったのよ。

そうしたところ、仕事の条件について細かく聞かれた。
これまでは、来ていただける事が分かってからその方に直接説明して、
必要に応じて話し合いするようにしてたんだけど、
今や条件が先らしい。
(その編集さんの考え方かもしれない。)

泊まりか通いか、仕事の時間帯は、時給はいくらか、交通費は出るか、
食事は、お風呂は?
まぁ、こういう事はいつもある程度事前にお伝えするものではあるけど、
それだけでは済まなかった。
喫煙か禁煙か、ペットはいるか、...まぁ、ここまでは仕方無いかとも思ったけど、
おやつ休憩はあるか、なんて事まで聞かれて、さすがに驚いた。

その時は締め切りギリギリって訳では無かったけど、
大体、仕事のペースを上げたいからアシスタントをお願いする訳で、
ノンビリしてるんだったらアシスタントなんて必要無い。
状況に応じて、徹夜で仕事するくらいは普通。
(その分の時給はきちんと支払ってますよ、私は。
 過去にそう言うの支払ってくれないマンガ家さんも結構いたけどね。)
時給にしたって、
勿論きちんとした、或いはそれ以上の金額をお支払いしてきたけど、
そのアシスタントさんがどれくらい仕事が出来るかも全く分からないうちから
時給なんて決められない。
はっきり言って、全く役に立たないアシスタントさんもいるのだ、
ハーレクインの編集さんの紹介でも。

ましてや、おやつ休憩まで要求されては...。
遊びじゃないんだよ。
(実際はウチは割とおやつ休憩も取るけどね。)

で、それを編集者が当然のように言って来るって、何なんだろうと思った。
編集者が担当マンガ家を信用してない?
仕事の紹介に関しては責任があるから、それなりのケアは当然だけど、
...編集者なのに、マンガ家の仕事の実態、生活の状況については
どうにもならないような原稿料のまま、いつまでも知らん顔してほっといて、
アシスタントさんばかり御機嫌取りするのか。
この人は一体どっちに目が向いているんだろう?
対面の打ち合わせを一度もしないような仕事ぶりだからこうなるんだろう。

何だか悲しくなって来た。

この事がハーレクインと決裂するきっかけのひとつでもあった。

その時は誰も捕まらなかったようで、結局誰も紹介してもらえなくて、
「時間があるんだから、ひとりで仕事したらどうですか。」と言われてしまった。
はぁ、仕事場の条件を散々話させられたのにね。


骨身を削って仕事して、
収益の大部分を出版社に持って行かれるのが
やり切れなくなった瞬間だった。




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